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I-9 緒方イニシアティブ


「緒方イニシアティブ」は、緒方貞子総理特別代表が、2度のアフガニスタン訪問の際行った難民・避難民の現状視察等を踏まえて提案した内容を具体化する地域総合開発支援です。優先3地域として南部のカンダハル、東部のジャララバード、北部のマザリシャリフという地方都市を中心とした地域が選定され、人道支援から復旧・復興支援への継ぎ目のない移行を早期に達成することを目指しています。更に、単に地域の復旧・復興ばかりでなく、移行政権の能力強化及び中央政府と地方当局の連携強化、そしてコミュニティの自立促進を目標としています。
現在、第一弾として難民・避難民を対象とする再定住化支援に焦点を当て、国連機関等を通じ、仮設住居機材の供与、水供給システムの改善、農業再興、児童・教員用教材の配布、仮設教育施設の供与、NGOを通じたコミュニティ復興支援等を行っています。同プロジェクトによって約150万人が受益すると想定されており、2002年7月に発表して以来着々と実施中です。
2002年10月には、より大規模で包括的な地域総合開発支援計画、緒方イニシアティブ・フェイズ2を発表しました。想定受益者数は300万人で、緊急所得創出事業をはじめ、労働の対価としての食糧配布、基礎的なインフラ整備、母子健康保全、教育実施能力強化、地雷対策事業等を優先3地域に対し行います。このプロジェクトはカンダハル・カブール間道路整備をはじめとする他のプロジェクトとの連携を図ることで、わが国による総合的な地域開発計画のモデル・ケースとなることが期待されています。


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