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I-6 ネリカ米


西アフリカを中心としたアフリカにおいて、これまでにない新しい稲の研究開発が進められています。
New Rice for Africaの頭文字を取ってネリカ(NERICA)米というこの新しい稲は、病気・乾燥に強いアフリカの在来稲と高収量のアジア稲を交雑したアフリカ陸稲の新しい有望品種として、注目を浴びています。
わが国は、90年代後半からODAを活用し、西アフリカ地域に適した稲の研究開発を行うWARDA(西アフリカ稲開発協会)に対して、研究プロジェクトを資金面から支援するとともに、人的支援として日本人の研究者等を派遣し、西アフリカにおける稲作の増進に努めてきました。
ヨハネスブルグ・サミットにおいて、わが国は、会議場の外で行われるサイド・イベントでネリカ米を取り上げ、ネリカ米に関するシンポジウムや試食会を行いました。また、このサミットに先立ち、わが国は、ニューヨークの国際連合本部において、アナン国連事務総長、緒方前国連難民高等弁務官(UNHCR)、現地駐在のアフリカ各国代表や報道機関等多数を招き、ネリカ米の試食会を行いました。
わが国は、アジア地域における稲研究に関して、多くの経験を積み重ねてきており、この経験はネリカ米の開発・普及に対しても大きな役割を果たしています。飢餓等の諸問題が深刻になりつつあるアフリカ地域において、ネリカ米の開発・普及の推進が食糧事情を改善する一助になることが期待されています。


ネリカ米の試食会(左から緒方前国連難民高等弁務官、アナン国連事務総長、佐藤国連大使(当時))


収穫したネリカ米を選別する人々(写真提供:WARDA)


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