I-5 安徽省金寨県果子園小学校建設計画
安徽省最西部(省都合肥市から約150km)の金寨県果子園郷(村)は、自然的・社会的条件に恵まれず、住民の1年間の平均収入は約千元(約1万5千円)足らずの中国で最も貧困な県の一つです。同村の山中にある果子園村小学校は、村で唯一の小学校であり、約400人の児童が学んでいます。しかし、53年に建設された小さな校舎は、倒壊の危険に瀕しています。また、運動場や黒板もなく、教育環境は劣悪なものでした。
こうした状況の中、果子園郷政府は、新しい小学校を建設するため、比較的交通の便が良く、洪水などの自然災害の危険が少ない場所に建設用地を確保しました。さらに、建設費の不足分についてわが国に支援を要請しました。この要請を受けて、わが国は草の根無償資金協力(約738万円)を実施し、新校舎を完成させることができました。
新校舎が完成した現在、教育環境は大きく改善され、果子園小学校は県のモデル校となり、99年には県政府より教育・文化面で優れた取組を行っていることを示す「文明単位」の称号を与えられました。放課後、校舎の一部は、住民が職業教育などの指導を受ける生活学級の場としても使用されており、地域のコミュニティセンターとしての役割も果たしています。
同校の校歌には、「不忘日本友人情誼(日本の友人の友情を忘れない)」との一節が入っており、生徒達は、「いつか日本に行ってみたい、日本の子供達と話をしてみたい」との夢を抱きながら、小高い丘に立つ美しい母校を誇りに勉学に励んでいます。
旧校舎の授業風景
新校舎では、放課後に生涯教育も実施されるようになった。