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16 日本センターの活動-顔の見える援助の実現-



 日本人材開発センター(通称「日本センター」)は、途上国に対する日本の経営手法などの経験の伝達、日本語教育、日本と当該国との交流活性化などを目的として、わが国が各地に設置を進めている拠点施設です。日本センターの設立は、90年代半ば、アジアの社会主義国の市場経済化移行をわが国が支援することを目的として(1)経済実務人材の育成、(2)日本語教育、(3)相互理解の促進の3つを軸に、無償資金協力とプロジェクト方式技術協力(注)を組み合わせて実現する計画として行われているものです。2002年2月現在、ラオスにおいては同センターは無償資金協力によって、ウズベキスタンではウズベキスタン側が新たに建設したビルのスペース(約800m2)において、すでに開所しており、ベトナム、カザフスタン、モンゴルなどにおいても開所に向けて事業展開が進んでいます。
 中でもラオスの日本センターは、最初の日本センターとして2001年5月に開所しました。開所の翌週に開催されたビジネスマネジメント・トレーニングコースでは、経済人に対して経済環境、投資などに関するセミナーが行われたり、日本語講座には定員の4倍を超える希望者が殺到するなど、センターの活動は活発に行われています。また、IT時代に対応して教育用コンピュータを備えた「コンピュータトレーニング室」、100名までの受講に対応できる「多目的室」、茶道・華道の指導が可能な「文化交流室」、日本に留学経験のあるラオス人の情報交換の拠点となる「ジャパンクラブ室」なども備えられています。さらにメディア・ルームは図書コーナーや視聴覚コーナー、インターネットで日本や世界の情勢についての情報を得ようとする多くの利用者に活用されています。
 また、日本センターはウズベキスタンでも開設されており、2001年8月にウズベキスタン大統領が訪問した際、同センターのプロジェクトや施設に大変興味を示され、「とても満足のいく立派な施設に仕上がっている。心から感謝したい。」「私もここに学生として学びにきたい。」との感謝の意を表しました。
 ODA中期政策でも重点地域としているアジア地域において人材育成の拠点となる同センターの設置は、相手国の発展のみならず、日本の「顔が見える援助」の実現としても意義があると言えるでしょう。


ラオス日本センター内図書館


ラオス日本センター外観(写真提供:国際協力事業団)



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