わが国はここ20数年、ODAに対する評価の実施体制をより充実させるためにさまざまな努力を払ってきています。そんな中、2001年11月7,8日の2日間にわたって、外務省においてODA評価東京ワークショップ」が開催されました。
このワークショップには、アジア15か国から援助関係機関の政府高官、世界銀行や開発援助委員会(DAC)など国際機関の評価専門家ほか60名が、わが国からは外務省など援助機関関係者と一般参加者、学生、NGOなど約60名の合計120名が参加しました。ここでは、より効果的なODA実施のための評価や、ODA評価において被援助国の果たす役割について活発な意見交換や議論が展開されました。
その結果、主要な論点として、(1)アジアの被援助国の果たす役割が非常に大きく、そのためには被援助国において評価能力を強化する人材育成が必要である、(2)被援助国を評価のフィードバック(評価結果をその後の開発援助政策に反映させること)の仕組みの中に取り込むことが不可欠である、(3)プロジェクトレベルの評価にプログラム、政策レベルを加えた評価体系の整備、事前評価・モニタリング・事後評価といった一貫した評価プロセスの確立のためには、さらに議論を重ねていくことが必要である、といった点が挙げられました。このほか、ODA評価に関する共通の枠組みまたはマニュアルを作ることが提案されました。
わが国のイニシアティブにより日本で開催されたワークショップとしては今回が初めてでしたが、参加したアジア諸国からは高い評価を受け、2002年も東京で同様のワークショップを開催するよう強い期待が寄せられました。また、援助の透明性を確保することや説明責任を果たしていくことが求められている中、今回の議論は、一般国民にも広く公開されました。次回のワークショップでは、出席者がそれぞれ今回ワークショップの成果を基にしてODA評価の改善に向けた努力を示し、また、より多くの援助関係者を参加させることが期待されています。
オープニングセッションの様子