ミサイル技術管理レジーム(MTCR)ワルシャワ総会 (概要)
平成14年10月
9月24日~27日、ワルシャワで開催されたミサイル技術管理レジーム(MTCR)(注1)総会の概要以下の通り。
- 対テロの取り組み:政治宣言として、MTCRとしてのジョイント・アクションを採択。国家だけではなくテロリストグループや個人の手中にMTCRが従来規制してきた大量破壊兵器を運搬可能な弾道ミサイル、ロケット、無人航空機(UAV)等を渡さないことを、MTCRの目的の一つと位置づけることとし、所要のガイドライン改正につき検討されることとなった。
- 無人航空機(UAV)(注2)は、テロリストにとって生物・化学兵器の運搬手段として容易に使用可能なため、射程距離を問わず規制の対象とすることにつき議論。最終的に規制リストの改訂に合意されれば、従来MTCRで規制されてこなかった射程距離300km未満のUAVも規制されることとなり、画期的な成果となる。
- 「ミサイル不拡散のための地域的な取り組み」として、ミサイルの拡散が懸念される地域やミサイル活動を行っている国に対し、MTCR及びその参加国が優先的に働きかけを行うことが確認された。
- 次回総会は、2003年9月、次期議長国アルゼンティンの主催でブエノスアイレスで開催されることとなった。
(注1) |
MTCRは、1987年、核兵器を運搬可能なミサイルの拡散を防止するため、ミサイル及び関連物資・技術の輸出管理を通じた国際協調をはかるためにG7が設立した輸出管理レジーム。その後、規制の対象を生物・化学兵器を含む大量破壊兵器を運搬可能なミサイルに拡大。2002年現在我が国、米、欧州、豪、露、アルゼンティン、ブラジル、南ア、韓国等を含む33カ国が参加。
|
(注2) |
UAV(Unmanned Aerial Vehicle)には、巡航ミサイル、無人偵察機、農薬散布用無人ヘリコプター等が含まれる。
|
目次
|