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地球環境

世界気候変動会議及びロシアの
京都議定書批准問題


平成15年10月6日
外   務   省
経 済 産 業 省
環   境   省


 9月29日(月)から10月3日(金)にかけてモスクワにおいて、気候変動問題に関する科学的知見を深めることを目的とした世界気候変動会議が開催された。また、同会議の機会を利用してロシア政府関係者等と会談を行った(我が国からは、美根外務省地球環境問題担当大使、浜中環境省地球環境審議官他が出席)。

1. 世界気候変動会議について

今次会議の主な目的は、世界的な気候変動問題に対処するための広範な学術的議論を行う機会を提供することとされている。この観点からは、世界各国・機関から多くの専門家が議論に参加し、科学的知見や気候変動に関する意識の向上に寄与するなど、有意義な成果があった。

他方、今次会議において、ロシア政府が京都議定書締結の決定を何らかの形で表明する可能性があるとの期待もあったが、出席したプーチン大統領からはこの点について踏み込んだ発言はなかった。

(参考) 開会式においてプーチン大統領が行った演説中、京都議定書関係の発言は以下のとおり。

ロシアは京都議定書への早急な批准を求められており、この呼びかけは今次会議においても何度も繰り返されると確信している。
ロシア政府は京都議定書に関連した複雑な問題の全てを総合的に調査しており、その作業が終了した後に、ロシアの国益に従って決定が行われる。


今次会議の要約(サマリー)においては、気候変動は現実に起こっており、それは主として人類による温室効果ガス等の排出に起因し、人類と生態系への脅威となっているという、IPCCの第3次評価報告書における一般的結論が、大多数の科学者に受け容れられたことが明記された。その一方で一部の科学者からは、京都議定書については未だに科学的な解明を要する部分があり、更なる研究とそのための時間及び資金が必要であるとの意見が強く主張され、このような異なる意見が表明されたこともサマリーに記述される方向となった。

また、気温上昇によってロシアの農業生産性が向上するなどの、プラスの影響があるとの主張が一部の科学者からなされる一方、気温上昇によって生じる永久凍土の融解により、石油パイプライン等のインフラに大きな被害を及ぼすほか、気候変動は農業生産にも打撃を与える、といった気候変動の悪影響についての主張もあった。



2. ロシア政府関係者等との個別会談について

京都議定書に関する検討状況と今後の進め方につき、ロシア政府及び議会関係者と会談を行った。
 その際、我が方からはロシアが京都議定書を締結することの重要性を訴えるとともに、現在のロシア国内における締結準備状況や、締結に当たっての問題点について聴取に努めた。

個別会談の相手

(ロシア政府関係者)
・ツィカノフ経済発展貿易省次官
・ヤンコフ天然資源省次官
・ベドリツキー水理気象環境モニタリング庁長官

(議会関係者)
・チホミーロフ連邦院天然資源・環境保護委員長
・グラチョフ国家院環境委員長

(その他)
・ダニロフ=ダニリャン水問題研究所所長

会談における先方の発言の概要
政府部内においては、基本的に締結自体に反対している省庁はない。議定書締結が国民生活や経済等に与える影響に関する分析は終了しており、関係省庁間委員会では締結について概ね合意が得られている。他方、京都議定書実施のための国内担保法令の整備、共同実施事業に関する担当省庁間の所管の調整などについて、若干の技術的作業は残っている。
京都議定書の締結は年内の閣議の議題として、現在のところは予定されていない。
議会の中でも、環境委員会においては議定書支持の声が強いが、例えば国家院全体となると反対勢力は大きい。
検討の際の主な考慮事項としては、経済的実益が大きい。


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