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軍縮・不拡散


2000年NPT運用検討会議最終文書の概要

2000年5月19日
第6回NPT運用検討会議で採択
I 核軍縮

 NPT運用検討会議(以下、会議)は、NPT第6条及び「核不拡散と核軍縮の原則と目標」(以下、原則と目標)第3及び4項(C)(核軍縮に向けた努力)を実施するための制度的及び漸進的な努力にかかる以下の実際的措置に同意した。

(1) CTBT早期発効
(2) CTBT発効までの核実験モラトリアム
(3) 軍縮会議にカットオフ条約の即時交渉開始及び5年以内の妥結を含む作業計画に合意することを奨励
(4) 軍縮会議において核軍縮を扱う適切な補助機関の即時設置を奨励
(5) 核兵器及びその他の軍備管理・削減措置への「不可逆性の原則」の適用
(6) 核兵器の全面廃絶に対する核兵器国の明確な約束
(7) STARTⅡ早期発効及びその完全な実施、速やかなSTARTⅢ妥結、ABM条約の維持・強化
(8) IAEA・米ロ間の3者協定の妥結・実施
(9) 国際的な安定を推進し、すべての国の安全が損なわれないことを原則として核兵器国が核軍縮に向けて取る措置
核兵器国による一方的核削減のための更なる努力
核兵器能力及び軍縮協定実施についての「透明性」の強化
非戦略核兵器の一層の削減(国際平和と安定の推進に資するための、一方的なイニシアティブを踏まえた、及び全体の核兵器削減措置の不可分な措置)
核兵器システムの運用ステータスの一層の低減のための具体的な合意措置
安全保障政策における核兵器の役割の低減(核兵器の使用のリスクを最小限に抑え、核兵器廃絶を促進するための措置)
すべての核兵器国による核廃絶に向けたプロセスへの関与
(10) 余剰核分裂性物質のIAEA等による国際管理、及び同物質の処分
(11) 軍縮の究極的目標が実効的な国際管理の下での全面完全軍縮であることの再確認
(12) NPT第6条及び「原則と目標」(核軍縮努力)の実施についての定期的な情報提供(ICJ勧告的意見を想起した措置)
(13) 核軍縮のための検証能力の向上


II 核不拡散

1. 保障措置
国際原子力機関(IAEA)の保障措置は、核不拡散体制の基本であること、また、保障措置の強化と効率化の重要性を確認。
包括的保障措置協定の未締結国の早期締結、全ての締約国による追加議定書の早期締結を推奨。特に、追加議定書などの締結促進のため、IAEAに対して行動計画などの措置を検討するよう勧告。
NPT非加盟国(キューバ、イスラエル、インド、パキスタン)に対し、NPTへの早期加盟、包括的保障措置協定及び追加議定書の早期締結を要請。
包括的保障措置協定と追加議定書は統合保障措置として、一体として扱われるべきことを確認するとともに、統合保障措置概念の検討作業を優先的に進めることを推奨。
新たな非核地帯の創設を歓迎するとともに、特に、中央アジア非核地帯条約構想の早期締結に向けた動きを歓迎。
核兵器国における軍事用に不要となった余剰核物質に関しては、早急にIAEA等の検認の下におかれるべきことを強調。
IAEAが保障措置活動の責任をはたせるよう、全ての締約国に対し政治的、技術的、財政的支援を継続するよう要請。
2. 核物質防護、輸出管理等
核物資防護、核物質の不法移転の防止及びそのための国際協力の重要性を確認。
輸出管理のための国内規制の必要性を確認し、輸出管理の未実施国に対し適切な国内規制の確立と実施を勧告。
輸出管理の透明性の向上を継続して実施すべきことを勧告。
プルトニウム管理指針によるプルトニウム管理の一層の透明性向上を歓迎し、参加国の拡大を推奨。高濃縮ウランについても同様の検討が行われることを期待。


III 地域問題

1. 中東
中東決議は95年NPT無期限延長決定の基礎。
中東諸国のNPT加入を歓迎し、イスラエルのNPTへの加入の重要性を確認。
中東地域のIAEA包括的保障措置協定末締結国に対し、できるだけ早く締結するよう呼びかけ。
全ての締約国に対し2005年NPT運用検討会議議長等に中東非大量破壊兵器地帯構想や95年中東決議の目標の実現に向けてとられた措置につき報告することを要請。
中東非大量破壊兵器地帯早期創設を確保するための協力の呼びかけ
イラクによるIAEAとの完全かつ継続的な協力及び義務の履行の重要性の確認。
2. 南アジア
98年5月のインド・パキスタンによる核実験につき、98年6月の安保理決議1172を想起。両国に対し、右決議において示されたすべての措置をとるよう要請。両国は核兵器国としての地位を有さない。
両国に対し、NPT加入、CTBT署名、兵器用核分裂性物質生産モラトリアム核関連物質等の輸出管理強化を要請。
3. 北東アジア
IAEAが北朝鮮により申告された核関連物質の正確性、完全性を検証することができない状態が続いていることを懸念。
北朝鮮がIAEA保障措置協定を完全に履行することを期待。


IV 原子力平和利用

1. NPTと原子力の平和利用
NPTが原子力平和利用協力を進めるための基本的枠組であることを確認
技術協力、原子力安全確保等の重要性と、これらの分野でIAEAが果たすべき役割を再確認。
2. 原子力安全、放射性物質の輸送、放射性廃棄物、損害賠償
原子力の安全確保が平和利用の前提であることを確認。原子力安全条約等への加入促進を要請。
放射性物質輸送が国際基準に従い、航海の自由等を損なわずに実施されるべきことを確認。海上輸送の沿岸国等の懸念に留意。海上輸送に関する措置と国際規制に係る検討と改善のための作業の継続を要請。
使用済燃料及び放射性廃棄物の管理に関する条約の早期発効を希望。放射性廃棄物の海洋投棄を禁止したロンドン条約付属書の受諾を要請。
有効な原子力損害賠償の枠組みの存在が重要であることを強調。
3. 技術協力等
原子力平和利用における技術移転・協力のためのIAEAの役割の重要性を確認、このための財源確保の重要性を強調。
途上国等との2国間技術協力の継続等を要請。


V 運用検討プロセスの強化

(1) 当初2回の準備委員会では条約、95年の決定及び中東決議、更に今後の運用検討会議の成果の実施に関する実質事項について審議する
(2) その関連で条約に関連する重要な問題あるいは地域の問題もとりあげる
(3) 運用検討会議への実質的勧告については最後の準備委員会で起草する
(4) 準備委員会の検討結果はサマリーとする


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