NPT運用検討会議第2回準備委員会 議長サマリーの要旨
平成15年5月9日
- 普遍性
キューバ及び東ティモールのNPT加入は、NPTの普遍性を一層高めるものであり、これを歓迎する。印,イスラエル,パキスタンに対して,NPTに加入するように呼びかける。
- CTBT
発効要件国の13カ国の批准・署名の重要性が強調され,CTBT発効までの間の核実験停止(モラトリアム)の重要性が再確認されると共に、国際監視制度の設置における進展が留意された。
- 米露核軍縮
米露間の戦略攻撃力削減条約(モスクワ条約)を核軍縮と戦略的安定への重要な一歩として歓迎する加盟国があった。配備・作戦状態からの撤去は、核兵器の不可逆的削減や全面的廃絶に代替するものではないとの見解が示された。
- 非戦略核
非戦略核の一層の削減の重要性が強調された。
- カットオフ条約
カットオフ条約の交渉妥結重要性を強調。兵器用核分裂性物質の生産モラトリアムを宣言していない国が,そうするように要請された。
- 定期報告
定期報告による透明性は,NPT体制全体の信頼を向上することが強調された。
- 非核地帯
中央アジア5カ国が非核地帯を創設するため協議を行い合意に達したことに勇気づけられる。
- 北朝鮮
北朝鮮の核問題に対する懸念が表明された。締約国は、北朝鮮に対し、早期の検証可能でかつ不可逆的な方法で核兵器計画を廃棄するよう求めた。締約国は、朝鮮半島の非核化を呼びかけ、また、北朝鮮に対して行動の方向性を再考し、またNPTに従って保障措置協定を遵守するよう強く求めた。締約国は、本件は,引き続き関係国を含む多数国間で対処されるべきと信ずる。北朝鮮の安全保障に関する正当な懸念が手当されるべきとの見解も示された。締約国の北朝鮮の条約上の地位に関する見解に関して委員会初日行われた議長発言に、準備委員会は特に留意する。
- イラク
締約国は、イラクの大量破壊兵器計画に関する未解決の問題が残っていることを想起すると共に、残された問題を明らかにすることの重要性に留意した。
- 消極的安全保障
多くの国が、非核兵器国の安全保障に関する普遍的且つ無条件の法的文書作成を追求すべき旨強調した。
- 軍縮・不拡散教育
軍縮・不拡散教育は未来の世代のための軍縮・核不拡散体制を強化するために重要であることに合意。
- IAEA保障措置・追加議定書
IAEAの包括的保障措置協定及び追加議定書の普遍化の必要性が強調された。また、IAEAの保障措置に対して適正に資金が供与されることに対する支持が表明された。
- イラン
イランは、IAEAに対する全面的かつ前向きな協力と早急な追加議定書締結を求められた。
- 輸出管理
輸出管理の核不拡散における重要性が繰り返し表明された。
- 核テロ対策
IAEAの核テロ防止基金への協力の重要性が強調された。
- 放射性物質輸送
本年7月の輸送の安全に関する国際会議において技術的な対話が推進されることへの期待が示された。
- 原子力平和利用
IAEAが実施している技術協力活動のための十分な資源がIAEAに供与されることの重要性が強調された。
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