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人権・人道

あらゆる形態の人種差別の撤廃に
関する国際連合宣言(仮訳)

国際連合総会は、

国際連合憲章がすべての人間の尊厳及び平等の原則に基礎を置いており、他の基本的目的と共に、人種、性、言語又は宗教による差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の尊重を助長し及び奨励することについて、国際協力が達成されるよう求めていることを考慮し、

世界人権宣言が、すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳及び権利について平等であること並びにすべての人がいかなる形での差別をも、特に人種、皮膚の色又は国民的出身による差別を受けることなく、同宣言に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明していることを考慮し、

更に、世界人権宣言が、すべての人は法律の前に平等であり、いかなる差別も受けることなく法律による平等の保護を受ける権利を有し、また、すべての人はいかなる差別に対しても、また、いかなる差別の扇動に対しても平等の保護を受ける権利を有することを宣明していることを考慮し、

国際連合が、植民地主義及びこれに伴う隔離及び差別のあらゆる慣行を非難してきたこと並びに植民地及びその人民に対する独立の付与に関する宣言が特に植民地主義を速やかにかつ無条件に終了させる必要性を宣明したことを考慮し、

人種的相違又は優越性のいかなる理論も科学的に誤りであり、道徳的に非難されるべきであり及び社会的に不正かつ危険であること並びに理論上又は実際上、人種差別を正当化することはできないことを考慮し、

差別について国際連合総会が採択した他の種々の決議及び国際連合の専門機関、特に国際労働機関及び国際連合教育科学文化機関が採択した国際文書に考慮を払い、

多くの国々においては、国際的な活動と努力によってこの分野での進歩がみられるが、それにもかかわらず、世界のいくつかの地域において、人種、皮膚の色又は種族的出身に基づく差別が依然として深刻な問題を起こしているという事実に考慮を払い、

世界のいくつかの地域において人種差別が依然として存在していること(特定の政府により、立法、行政又はその他の措置を通じ、特にアパルトヘイト、隔離又は分離の形態で行われるものを含む。)並びに特定の地域において人種的優越及び拡張主義の理論の助長及び宣伝が行われていることを危険な事態として受けとめ、

あらゆる形態の人種差別、とりわけ人種的優越又は人種的憎悪という偏見に基づく政府の政策は、基本的人権の侵害であること並びに諸国民の間の友好的な関係、国家間の協力及び国際平和及び安全をも危くするものであることを確信し、

 同様に、人種差別は差別される者ばかりでなく、差別する者にも害を与えるものであることを確信し、

 更に、いかなる形態の人種隔離及び人種差別並びに人々の間に憎悪及び分裂をつくる要因もない世界的社会を建設することが国際連合の基本的目的の一つであることを確信し、

 1.世界を通じてあらゆる形態及び表現による人種差別を速やかに撤廃し、かつ人間の尊厳に対する理解及び尊重を確保する必要を厳粛に確認し、

 2.次に定める諸原則が普遍的かつ効果的に承認及び遵守されることを確実にするために、教授、教育及び情報を含む国内的及び国際的措置をとる必要性を厳粛に確認し、

 3.次のとおり宣言する。

 第1条

 人種、皮膚の色又は種族的出身を理由にする人間の差別は、人間の尊厳に対する侵害であり、国際連合憲章の原則の否定、世界人権宣言に謳われている人権及び基本的自由の侵害、及び国家間の友好的かつ平和的な関係に対する障害及び諸国民の間の平和及び安全をも害するものとして非難されなければならない。

 第2条

 1.いかなる国家、機関、集団又は個人も、人種、皮膚の色又は種族的出身を理由として人権及び基本的自由に関し、個人、集団又は団体を差別してはならない。

 2.個人、集団又は団体による人種、皮膚の色又は種族的出身を理由にしたいかなる差別に対しても、国はその警察活動その他の措置によりこれを奨励、擁護又は支持してはならない。

 3.状況により正当とされる場合には、特定の人種の集団に属する個人に対し人権及び基本的自由の十分な享有を保障するため、当該個人の適切な発展及び保護を確保するための特別かつ具体的な措置をとらなければならない。この措置は、いかなる場合においても、その結果として、異なる人種の集団に対して不平等な又は別個の権利を維持することとなってはならない。

 第3条

 1.市民的権利、市民権の取得、教育、宗教、雇用、職業及び住居の分野において、人種、皮膚の色又は種族的出身に基づく差別を防ぐために特別の努力を払う。

 2.すべての者は、人種、皮膚の色又は種族的出身による区別なしに、一般公衆の使用を目的とする場所又は施設を平等に利用することができる。

 第4条

 すべての国家は、政府及び他の公的政策を再検討し及び人種差別を生じさせ又は永続化させる効果を有するいかなる法令も廃止するために効果的な措置をとらなければならない。すべての国家は差別を禁ずる法律を制定し及び人種差別に導く偏見と戦うあらゆる適当な措置をとらなければならない。

 第5条

 人種隔離の政府及び他の公的政策、特にアパルトヘイト政策並びにそのような政策から生ずるあらゆる形態の人種差別及び分離を遅滞なく終了させなければならない。

 第6条

 いかなる者も自国における政治的権利と市民権の享有、特に普通かつ平等の選挙権により選挙に参加し、政治に参与する権利の享有に当たって、人種、皮膚の色又は種族的出身により差別されてはならない。すべての者は自国において公務に平等に携わる権利を有する。

 第7条

 1.すべての者は法律の前に平等であり、法律の下に平等な裁判を受ける権利を有する。すべての者は、人種、皮膚の色又は種族的出身による区別なしに暴力又は傷害(公務員によって加えられるものであるかいかなる個人、集団又は団体によって加えられるものであるかを問わない。)に対する身体の安全及び国家による保護についての権利を有する。

 2.すべての者は、人種、皮膚の色又は種族的出身を理由とする基本的権利と自由に関する差別行為に対し当該事柄を扱う権限のある独立した自国の裁判所を通じて効果的な救済及び保護を受ける権利を有する。

 第8条

 人種差別及び偏見を撤廃し、諸国民の間及び人種の集団の間の理解、寛容及び友好を促進し並びに国際連合憲章、世界人権宣言、及び植民地及びその人民に対する独立の付与に関する宣言の目的及び原則を普及させるため、教授、教育及び情報の分野において迅速にあらゆる効果的な措置をとらなければならない。

 第9条

 1.形態のいかんを問わず、人種差別を正当化し若しくは助長することを目的とした、一の人種又は皮膚の色若しくは種族的出の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体は、厳しく非難されなければならない。

 2.いかなる人種又は皮膚の色若しくは種族的出身を異にする人の集団に対する暴力行為又はその行為の扇動は、それが個人又は団体によるものであるかを問わず、社会に対する犯罪とみなし、法律の下で処罰されなければならない。

 3.この宣言の目的及び原則に効力を与えるために、すべての国家は、人種差別を助長し又は扇動し、若しくは人種、皮膚の色又は種族的出身に基づく差別を行うことを目的として暴力を用い又は暴力行為を扇動する団体を訴追し、非合法化するために、立法その他の措置を含め、迅速かつ積極的な措置をとらなければならない。

image  第10条

 国際連合、専門機関、国家及び民間団体はそれぞれの権限の範囲内で、法的措置及び他の実際的な措置を結合することにより、いかなる形態の人種差別をも廃止し得る精力的な行動を促進するためにあらゆることをしなければならない。特に人種差別と戦い、それを撤廃するための適切かつ効果的な措置を勧告するために、その差別の原因を調べなければならない。

 第11条

 すべての国家は、国際連合憲章に従い、人権及び基本的自由の尊重及び遵守を助長し、この宣言、世界人権宣言、及び植民地及びその人民に対する独立の付与に関する宣言の規定を完全に、かつ、誠実に遵守しなければならない。

目次


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