国際熱帯木材機関(ITTO) 
第31回理事会結果概要
  
 2001年10月29日~11月3日、横浜において国際熱帯木材機関(ITTO)第31回理事会が開催され、以下の決議が採択された。
  
1.違法伐採関連決議
  
 ITTO全体の違法伐採への取り組みとして、決議「持続可能な木材の生産及び貿易との関連における森林法(下記(注)参照)の施行」が採択され、以下の活動に合意。
  
| (1) | 
加盟生産国・消費国双方の自主的協力による熱帯木材・林産品の輸出・輸入データに関するケース・スタディの実施 |  
| (2) | 
加盟国のプロジェクト提出の奨励 |  
| (3) | 
将来、木材・林産品の違法貿易の程度、性質、原因について関連機関と協力してグローバル・スタディを行い、勧告する可能性を検討すること |  
| (4) | 
マーケット・アクセスに影響を及ぼす本件に関連した問題について情報収集・分析を行い、理事会に報告すること |  
| (5) | 
生産国の要請により、森林法の施行に関する調査を実施し、森林法施行を促進するための方策検討を支援すること |  
| (6) | 
加盟国が目標2000(持続可能に生産された熱帯木材のみを貿易の対象とするとのITTOの主要目標)に向けての進捗状況を報告する際に、特に、森林法の施行及びマーケット・アクセスの障害に関連した報告を含めること |  
| (7) | 
他の国際機関の活動をフォローし、必要に応じ理事会に報告を行うこと |  
 
  
 本件合意事項の実施のために、日本及び米国が拠出を表明(拠出内訳:日本$301,200、米国$125,000)。
  
(注):「森林法」とは、ITTO加盟生産各国の国内の森林関係法を指す。
  
2.インドネシアにおける持続可能な森林経営及び違法伐採の抑制
  
 合意内容:インドネシアが、ITTO技術調査団(2000年11月の理事会合意に基づき、2001年4~9月、同国に派遣)の勧告を踏まえ、違法伐採の削減、林産業の再編、森林プランテーションの開発等を実施するためのプロジェクトを提出することを奨励。 
 この関連で、次の活動も合意され、日本等が拠出を表明。
- 調査団の調査結果をインドネシア国内に普及させるためのワークショップ(拠出表明額:
 
日本$32,000、米国$20,000)
 - 違法伐採関連プロジェクト「インドネシアにおける林産業戦略の再構築」(拠出表明額:
 
日本$469,603、豪 $10,000)
  
3.ITTO横浜行動計画
  
 現行のリーブルビル行動計画(1998年ガボン理事会で採択)の基本的枠組みを継承しつつ、以下の点等を新たに盛り込んだ2002~2006年の行動計画に合意。
  
 
| (1) | 
生産国における森林法の整備に進展が認められたことを踏まえて、森林法の施行に重点を置いて支援を行っていくこと |  
| (2) | 
国境地帯の森林保全プロジェクトが持続可能な森林経営に及ぼす影響のモニタリング |  
| (3) | 
危機的状況にある森林エコシステム、特に、マングローブの保全、回復及び利用の促進 |  
 
  
 その他、持続可能な森林経営のための監査制度に関するガイドライン及び右に関連した生産国への支援、マングローブに関するワークショップの開催等についても合意された。
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