モスクワ
1.経緯
本協定は、平成9年11月のクラスノヤルスクにおける日露首脳会談で本協定に関する協議を開始することで一致したことを受け、平成10年2月にモスクワにおいて第1回交渉が開催されました。その後、平成10年6月に協定案文につき原則合意をみるに至り、平成10年11月13日、モスクワにおいて、ロシア公式訪問中の小渕総理(当時)及びプリマコフ・ロシア首相(当時)の立ち会いの下、都甲在ロシア連邦大使とシャボヴァリヤンツ経済相との間で本協定への署名が行われました。協定の効力を発生させるための外交上の公文の交換を経て、平成12年5月27日に発効しました。
2.協定の概要
本協定は、日本とロシアとの間の経済関係の一層の緊密化のために両国間の投資の促進及び保護のための法的枠組みを設定するものであり、投資環境における国際的傾向とロシアの投資環境の現状を踏まえ、法令の公表、貿易に関連する投資措置の禁止等も規定されています。
本協定の主要点は次のとおりです。
(1) |
投資の許可に関連する事項についての最恵国待遇 |
(2) |
投資財産、収益、投資に関連する事業活動等に関連する内国民待遇及び最恵国待遇 |
(3) |
収用等の措置の条件及びそれらの措置がとられた場合の補償並びにこれらに関する最恵国待遇 |
(4) |
送金等の自由 |
(5) |
投資保証等に基づく請求権等の代位 |
(6) |
投資紛争解決のための手続 |
(7) |
投資に関する法令の公表 |
(8) |
現地調達要求等の貿易関連投資措置の禁止 |
3.意義
本協定は、投資の許可につき最恵国待遇を定めるとともに許可された投資の結実としての投資財産、右から生じる利益、投資に関連する事業活動につき保護や待遇の保障を定めることによって良好な投資環境を醸成しようとするものです。これは、ロシアに投資を行う日本投資家にとり有意義です。さらに、本協定の締結は、投資環境の整備を通じて両国間の投資の増大及び経済関係の緊密化に資することが期待されます。
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