香港
1.経緯
日本と香港との間の投資保護協定に関しては、従来より香港側から締結の希望が強く表明されてきました。香港の繁栄と安定が平成9年7月の香港返還後も継続されることは極めて重要であり、日本からの対香港投資に係る環境を返還以降も安定的に維持するとともに、将来にわたる香港の経済的繁栄の維持に寄与するとの観点から、政府として香港との投資保護協定の締結交渉に応じることとしました。交渉は平成6年4月以来数回にわたり行われ、平成9年5月に協定案文につき合意、5月15日東京において日本側池田外務大臣(当時)と香港側ツァン財政長官(当時)との間で協定への署名が行われました。本協定は、平成9年6月18日に発効しました。
2.協定の概要
本協定は、日・香港間の経済関係の維持及び一層の緊密化のために日・香港間の投資促進に係る法的枠組みを設定するものです。協定全般にわたり、日本がこれまでに締結した協定の文言に沿った規定振りを盛り込んでいます。主要点は次のとおり。
(1) |
投資の許可に関連する事項についての最恵国待遇 |
(2) |
投資財産、収益及び投資に関連する事業活動等に関する内国民待遇及び最恵国待遇 |
(3) |
収用等の措置の条件及びそれらの措置がとられた場合の補償並びに敵対行為の発生等により損害を受けた場合の措置 |
(4) |
送金等の自由 |
(5) |
投資保証に基づく請求権等の代位 |
(6) |
投資紛争解決のための手続 |
(7) |
仲裁裁判所の設置 |
3.締結の意義
日本は、香港との間で密接な経済関係を維持してきており、香港では日本の多くの企業が活動しています。本協定の締結が、日本企業の香港の将来に対する信頼の維持に資することとなり、日・香港間の投資の増大及び経済関係の緊密化が図られるとともに、投資活動に伴う人物交流が活発化し、今後とも引き続き日・香港間の友好関係が一層発展することが期待されます。
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