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我が国における「線路敷設権」に関するレビュー結果について

平成13年4月3日



 昨年4月より、関係府省庁(内閣官房、内閣府、警察庁、総務省、公正取引委員会、法務省、外務省、財務省、厚生労働省、国土交通省、経済産業省)は、「規制緩和推進三か年計画(再改定)」及び「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブ」(第3回)共同現状報告に基づき、我が国における「線路敷設権」(注)に関するレビューを行い、今般、その結果(別添)をとりまとめて公表した。

(注)線路敷設権(rights of way):電気通信事業者やケーブルテレビ事業者が線路(電線及びその支持物(電柱等))及び空中線(アンテナ)並びにこれらの附属設備(マンホール、水底線標示柱等)を敷設、保守するために、自ら所有していない土地、施設、水底等を使用できる権利、またはそのための線路等用地を含む場合もある。


我が国における「線路敷設権」に関するレビュー結果

平成13年3月30日
線路敷設権」関係省庁レビュー会議

 平成10年4月以降、「線路敷設権」(注)関係省庁は、規制緩和推進3か年計画、及び「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブ」(第1回)共同現状報告に基づき、我が国における「線路敷設権」に関して、関係企業等の意見を聴取しつつ検討を行い、その結果を同年12月25日に発表するとともに、同検討結果に基づき、平成11年3月26日に「線路敷設に関する事業者等による改善策等の現状」を調査・公表した。また、平成11年度においても、検討を継続し、平成12年3月27日には、再度「線路敷設に関する事業者等による改善策等の現状」を調査・公表するとともに、我が国における「線路敷設権」に関するレビュー結果を公表した(同結果は外務省ホームページに掲載)。
 平成12年度においては、「規制緩和推進3か年計画(再改定)」及び「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブ」(第3回)共同現状報告に基づき、関係省庁レビュー会議(参加省庁:内閣府、総務省、公正取引委員会、警察庁、法務省、外務省、財務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)において検討を継続し、同年10月に事業者等による改善策の現状に関する中間調査を実施・公表した。これらの検討等に加え、平成12年度の「事業者等による改善策の現状」の調査結果を踏まえ、今般、改めて、我が国における「線路敷設権」に関するレビューを行った。

(注)線路敷設権(rights of way):電気通信事業者やケーブルテレビ事業者が線路(電線及びその支持物(電柱等))及び空中線(アンテナ)並びにこれらの附属設備(マンホール、水底線標示柱等)を敷設、保守するために、自ら所有していない土地、施設、水底等を使用できる権利、またはそのための線路等用地を含む場合もある。

1.総論

(1)現状認識

 平成12年度の管路、とう道、電柱等の利用に関する申請、提供等の現状調査の結果、以下の通り線路敷設の円滑化が着実に進展しているとの評価を得た。

(イ)NTT東西等第一種電気通信事業者

  • 申請件数、許可件数及び提供対象事業者数は概ね増加傾向にある。
  • 平成12年度の提供距離数は、前年度と比較して減少しているが、これは申請距離数が減少していることに伴うものである。
  • 申請を拒否した割合は0.65%で、その理由は、希望区間において管路の空きがないことであった。

(ロ)電気事業者

  • 電柱については、申請件数、許可件数及び提供対象事業者数は明らかな増加傾向にある。
  • 拒否件数は、前年度同様、0件であった。
  • 平成12年3月に自主的に取り組むことを表明した改善措置を着実に実施し、線路敷設の円滑化に寄与している。具体的には、6~7月にかけて「管路、とう道の利用に関するパンフレット」を整備し、利用申込みに対応している。(「電柱の共架に関するパンフレット」は平成11年3月に整備済み。)

(ハ)鉄道事業者

  • 申請件数、許可件数、提供対象事業者数、提供距離は増加傾向にあるが、絶対数としては少ない。申請を拒否した事例は1件のみであり、その理由は、申込みのあった管路に空き容量が無かったためである。
  • 上記の現状にかんがみ、これまでと同様、列車運行の安全性等に支障のない範囲で、それぞれ個別に協議に応じる。

(2)結論

(イ)政府は、特定の事業者を優遇するような措置は行っておらず、公平な取り扱いを行っている。また、関係事業者等よりも、同様の対応を行っているとの説明を得た。

(ロ)平成12年度においては、10月及び3月に「線路敷設に関する事業者等による改善策等の現状」に関する調査を実施した結果、線路敷設の円滑化が着実に進展していることが確認された。

(ハ)更に、政府としても、超高速インターネットの整備に不可欠な光ファイバー網の整備を促進するための環境整備を行う観点から、電柱・管路等を電気通信事業者に無差別、透明、公正なルールの下で開放するためのルールの策定、道路等の公的空間への線路敷設の円滑化のために必要な措置等を実施することとした(具体的措置内容は「2.各論(2)」において詳述)。

(ニ)苦情、意見・要望等を通じて問題点が明確化された場合には、関係府省庁において適切な対処方法について検討する。

2.各論

(1)事業者等による自主的な改善策等の現状

  平成12年10月31日に「関係事業者等による自主的な改善策の現状」に関する第三回調査を実施・公表するとともに、今般、年間を通じた現状の調査を再度実施した。これらの調査を通じ、各事業者が以下のような自主的な改善策を講じていることが確認された。

(イ)NTT東西等第一種電気通信事業者

 (a) NTT東西を含む第一種電気通信事業者は、電柱・管路等の利用に関し、各種の自主的改善策を措置している(個別措置の内容については、「線路敷設に関する事業者等による改善策の現状」調査結果を参照)。
 (b) NTT東西は、昨年度のレビュー(平成12年3月実施)において公表した以下5項目の改善措置を着実に実施した。
  • 必ずしも一括回答に拘らず、逐次回答(費用算出に先立つ可否回答、区間毎の優先順位を付けての回答)等により利用申請に対する回答期間の短縮に努める。
  • ケーブル敷設工事において、工事発注方式の工夫等により、着工までの時間を短縮し、全体の納期短縮に努める。
  • 他事業者等に提供する管路へのハーフダクト方式の適用条件等を検討し、ケーブル収容能力の向上と賃貸料金の低廉化に努める。
  • 他事業者がNTT東西施設内で自ら工事・保守を行いたいとの要望については、セキュリティ確保のための必要な条件等を検討するため、共同施工の試行的実施等に取り組む。
  • 他事業者のケーブル収容に際し、その道路占用許可に係る費用とその他の工事費用を別々に掲載すること等により、工事にかかる費用の透明化に努める。
 (C) 新たに、大阪セントラルケーブルネットワーク、北陸通信ネットワーク、グリーンシティケーブルテレビ、中部テレコミュニケーション、スターキャット・ケーブルネットワーク及び香川テレビ放送網の計6社が窓口を開設したほか、中国通信ネットワーク、船橋ケーブルネットワーク及び加茂町・木次町・三刀屋町ケーブルテレビ組合の3社(団体)が自営柱利用条件策定等に関する対応を行った。

(ロ)電気事業者

平成12年3月に自主的に取り組むことを表明した改善措置を着実に実施し、線路敷設の円滑化に寄与している。具体的には、6~7月にかけて「管路、とう道の利用に関するパンフレット」を整備し、同パンフレットを各電気事業者の受付窓口に配備し、管路・とう道の利用申込みに対応している。なお、電柱への共架については、既に平成11年3月に「電柱の共架に関するパンフレット」を整備し、各電気事業者の受付窓口等に配備済みである。
a

(ハ)鉄道事業者

 (a) これまでと同様、列車運行の安全性等に支障のない範囲で、それぞれ個別に協議に応じる。
 (b) 各事業者とも、申請のための窓口を公表している。但し、申請件数が少ないこと等の理由により、全事業者共通の措置はとられていない。
 (c) 一部の事業者においては、光ファイバーケーブルの貸与に関する情報をホームページに掲載し、また、自主的に料金の設定等を行っている。

(2)平成12年度における政府としての具体的取り組み

  超高速インターネットの整備に不可欠な光ファイバー網の整備を促進するための環境整備を行う観点から、政府として、以下の措置を実施することとした。

(イ)「e-Japan重点計画」

 平成13年3月29日にIT基本法に基づいて決定された「e-Japan重点計画」において線路敷設の円滑化のための施策が取りまとめられ、電柱・管路等の開放についてのガイドラインの策定及び必要な法的担保措置(電気通信事業法の改正)、道路等の公的空間への敷設円滑化に必要な措置を講ずることとされている。

(ロ)電気通信分野における公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドライン策定

 「線路敷設の円滑化について」(平成12年11月6日 IT戦略会議・IT戦略本部合同会議)に則り、本年1月17日に総務大臣より情報通信審議会に対して「公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドラインの在り方について」が諮問され、3月28日、同審議会より同ガイドラインに関する答申がなされた。同ガイドラインは3月29日に決定された上記「e-Japan重点計画」に盛り込まれており、4月1日から運用される予定となっている。同ガイドラインは電気通信事業法の協議認可・裁定の運用基準として機能することととなるものであり、以下の各事項等につき規定している。

○基本的な考え方
・ガイドラインの目的・性格や提供の際の基本原則(公正性、無差別性、透明性)
○貸与申込手続
・貸与申込みの窓口、手続等あらかじめ公表すべき事項
・設備保有者が行う調査等に要する標準期間
・貸与を申し込む事業者の負担する調査費用の取扱い、内訳の提示
○貸与拒否事由  
・空き容量のない場合、自己利用計画が示されている場合等の理由の明確化
○貸与期間
・自己利用計画のある場合の判断基準
・道路占用許可等との期間の整合性
○貸与の対価
・設備使用料の算定基準
・設備使用料の明示   等

(ハ)道路等の公的空間への敷設円滑化

 また、上記「線路敷設の円滑化について」及び「e-Japan重点計画」を踏まえ、道路等の公的空間への線路敷設の円滑化のために、以下の点について具体的措置を実施する予定である。

○収容空間の整備・開放による敷設支援
・道路、河川等における光ファイバーの収容空間の整備・開放の推進
○工事規制の見直し
・冬季・年度末の路上工事抑制措置の緩和(平成13年度から5年間について試行的に実施)
○下水道利用の標準的ルールの周知  
○占用許可手続の迅速化等
・道路占用許可手続等の電子化の推進、占用許可手続マニュアルの公表
○情報提供の充実
・道路舗装工事完了後の掘削禁止措置についての情報提供  等

(3)レビュー会議に寄せられた苦情及び意見・要望の取扱い

(イ)苦情

 平成12年度末までに、レビュー会議に対し、一件の苦情が寄せられた。A社による東京都内の地方公共団体である道路管理者への管路敷設申請に関し、同社が希望する条数が認められず、同社とNTTとの管路配分の公平性に問題があるとして、同社より平成12年4月に苦情が提出された。建設省(当時)で事実関係を調査の上、同社から2回のヒアリングを行い、道路空間の有効利用の観点から共同収容を推進しており、NTTと差別する趣旨ではなかったこと、他の区間では同社希望の条数が認められていることもあること等を説明した結果、同社は事情を理解し決着した。

(ロ)意見・要望

 「線路敷設に関する事業者等による自主的な改善策等の現状」に関する調査を実施する過程で、レビュー会議に対し、複数のケーブルテレビ事業者より意見・要望が提出された(具体的内容は以下に列記)。これらの意見・要望において提起された論点にも配慮しつつ、ケーブルテレビ事業者について、電気通信事業者と同様、円滑な線路敷設が実現するよう関係府省が連携し、必要な措置を検討する。

(ケーブルテレビ事業者からの意見・要望の具体的内容)

  • 公共道路(県道・国道等)の道路占用料の引き下げ
  • 電柱共架・添架料の引き下げ
  • 賃借条件、申請手続の公正化  等


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