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軍縮・不拡散


第2回アジア不拡散協議(ASTOP-II)
(概要と評価)


平成17年2月10日


 9日、東京(外務省)にて開催された第2回アジア不拡散協議(ASTOP-II: The 2nd Asian Senior-level Talks on Non-Proliferation)の概要と評価は以下のとおり。

1.概要

(1) アジアにおける不拡散体制の強化に向けた意見交換
 2003年11月の第1回協議に続き、今次第2回協議においても、ASEAN諸国(10カ国のうちミャンマーは国内事情により不参加)、中国(今回初参加)、韓国、米国、豪州及び我が国の14カ国より、局長級の不拡散政策担当者が出席した。協議冒頭に谷川副大臣による基調スピーチが行われ、その後、アジアにおける不拡散体制の強化に関する諸問題につき、参加国間で自由かつ活発な意見交換が行われた(なお、今次協議では成果文書は作成せず)。議長は天野軍縮不拡散・科学部長が務めた。

(2) 議論の概要

(イ) 東アジアにおける大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散に関する最近の動向
 はじめに、ASEAN、ARF、ASEM等のアジアにおける各種地域フォーラムに際する首脳・閣僚レベルでの一連のコミットメントなど、第1回協議以降のアジア諸国による不拡散強化に向けた積極的な取り組みが評価された。同時に、アジア地域の主要な関心事項として、六者会合の経緯及び現状を中心に、北朝鮮の核問題及びミサイル等の拡散問題が取り上げられ、六者会合を通じた北朝鮮の核問題の平和的解決の必要性につき参加国間で認識が一致したほか、昨年2月に顕在化したカーン博士などによる核拡散に関する地下ネットワークについても、その現状について説明が行われ、類似の拡散ネットワークの再現を防ぐための取り組みの必要性につき認識が共有された。
(ロ) 不拡散体制の強化に向けた主要な取り組み
 従来の不拡散体制を一層強化するための取り組みとして、特に、国際原子力機関(IAEA)追加議定書及び弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範(HCOC)が取り上げられ、それらの更なる普遍化の必要性につき、参加国の認識が一致した。輸出管理についても、アジア各国の積極的な取り組みが紹介されるとともに、更なる強化の必要性について認識が一致した。また、拡散に対する安全保障構想(PSI)についても、最近の取り組み及び法的側面を中心に議論が行われ、参加各国の理解が深められた。
(ハ) 軍縮・不拡散関連の条約・規範の国内的履行に伴う障害とその克服のための協力
 軍縮・不拡散に関する条約・規範を国内で履行していくに際して、アジア諸国、特にASEAN諸国が直面している障害・問題点につき理解を深めるとともに、それらの克服に向けて、参加国間で可能な協力の方向性について活発な議論が行われ、特に、(a)国内における意識の向上の必要性、(b)キャパシティ・ビルディング等ソフト面における実施体制の強化の必要性、及び(c)施設や装備等ハード面における実施体制の強化の必要性が指摘された。


2.評価

(1) アジアに対するアウトリーチへの貢献
 これまでもアジアにおける不拡散体制の強化に向けて精力的な働きかけ(アウトリーチ活動)を行っている我が国として、不拡散に関する包括的なテーマにつき、局長級で自由な意見交換を行う協議を主催することにより、一層の貢献を行うことができ、アジア各国から高い評価が得られた。また、参加国から第3回ASTOPを開催してほしいとの要請があった。

(2) 不拡散問題に対するアジア諸国による積極的な取り組み
 第1回協議以降、首脳・閣僚レベルをはじめとするハイレベルで、累次にわたって不拡散体制の強化に向けたコミットメントが明確にされるとともに、各国レベルでの不拡散分野での取り組みが進展するなど、不拡散問題に対してアジア諸国が積極的に取り組んでいることが確認された。また、不拡散体制の強化は各国に大きな利益をもたらすものとして、すべての参加国から前向きな発言が行われ、例えば追加議定書の一層の普遍化の必要性、輸出管理体制の強化等、不拡散体制の更なる強化に向けた取り組みに対する参加14カ国の認識及び政策方向性が一致していることが確認された。

(3) アジア自らのイニシアティブによる不拡散体制の強化への評価
 NSG(原子力供給国グループ)及びMTCR(ミサイル技術管理レジーム)において韓国が、HCOCにおいてフィリピンがそれぞれ議長国を務めるなど、国際的な不拡散の取り組みにおいて、アジア諸国が発揮しているリーダーシップ及び積極的なイニシアティブに対し、前向きな評価が行われた。

(4) 今後協力が求められる分野の明確化
 不拡散体制の強化のためにアジア各国が取り組んで行くにあたり、いかなる分野での協力が求められているかが明確にされ、今後の検討のための具体的な方向性を提供することができた。



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