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軍縮・不拡散

国連総会第一委員会における我が国の代表演説骨子

平成16年10月5日

1.総論

(1) 国連総会第一委員会は、全ての国連加盟国が国際安全保障と軍縮問題について議論し、その結果を我々の将来の行動に繋げていく重要な場である。第一委はその機能を強化しつつ、国際社会の直面する現下の課題に適切に対処することが求められている。

(2) 現在の国際社会は、安全保障・軍縮不拡散に関して重大な挑戦に直面している。具体的には、大量破壊兵器の拡散問題、国際テロの脅威の増大とテロリストによる大量破壊兵器入手の可能性の増大、カーン博士を中心とする核拡散の地下ネットワークを通じた核関連技術の拡散問題、北朝鮮等個別の国々による遵守の問題等が挙げられる。同時に幾つかの進展もあった。軍縮については、リビアによる大量破壊兵器開発計画の廃棄決定、米によるFMCT交渉開始への支持の再確認、CTBT批准国数の着実な増加等。不拡散分野では、IAEA追加議定書の署名及び発効国数の増加、不拡散安保理決議1540の採択、PSIの進展、アジアにおける不拡散努力の強化(ASTOP)等。また、小型武器についても活発な議論が行われ国際的取り組みは進展している。

(3) これらの挑戦に対処するには多くの国による協力が必要であり、国際社会の多くの国が参加する国連総会第一委員会の役割は重要である。第一委においては、こうした挑戦を解決する方策を見つけ出すと共に、これまでの進展を更に発展させるようにする必要がある。特に、来年はNPT運用検討会議が開催される年であり、NPTの実効性(viability)が問われている中で、第一委はNPT体制を堅持・強化していく上で極めて重要な機会である。運用検討会議の成功のためにも第一委の作業を成功裡に導くことが重要である。

2.第一委改革

(1) 第一委がその期待される役割を十分に果たし、国際安全保障環境の変化に的確に対応できるようにする観点からも、第一委の機能強化は急務である。第一委の機能・運営については、以前より幾つかの問題点が指摘されてきた。例えば、同じ内容の決議案の機械的な提出や第一委の作業のマンネリ化、また、議題の合理化やよりフォーカスされた一般討論の必要性等も指摘されてきている。こうした問題を解決して、第一委が真に効果的・効率的に機能するような改革が求めらる。この観点から、昨年米が提出した決議案(58/41「第一委員会の作業方法の有効性改善」)は重要な一歩であった。今次第一委においては、昨年の議論を更に一歩進め、具体化させていくと共に、実施できるものから着手していくことが重要である。

(2) 我が国は第一委の改革にコミットしており、特にコンセンサスによる意見の集約が重要であると考える。この観点から議長と緊密に協力していきたい。我が国は、昨年の決議58/41に従い、我が国の本件問題に関する見解を国連事務総長に提出したところであり、その具体的内容については関連するセッションにおいて説明したい。決議については、現下の国際情勢を反映し、問題解決に向けた具体的なステップに結びつくような実質的な意義を持つaction-orientedなものとすることが重要である。また、全加盟国が決議の履行に向けて真剣に取り組むことが必要である。

3.本年の第一委に臨む我が国の基本的立場

(1) 我が国は、核兵器のない平和で安全な世界の一日も早い実現を目指した積極的な外交努力を展開してきている。本年も核廃絶への具体的道筋を示した核廃絶決議案(「核兵器の全面的廃絶に向けた道程」)を提出する予定であり、その目標達成に向けて核兵器国に対し一層の努力を呼びかけたい。昨年同様、大多数の支持を得て採択させたい。なお、我が国は1967年以来、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を堅持し、今後ともこの方針に変わりのないことをこの場において改めて表明する。

(2) 国際社会の直面している様々な課題に対応するためには、既存のレジームの強化、普遍化及び完全な履行が現実的且つ実効的な方途である。我が国としては、中でも軍縮・不拡散の国際的努力の基礎として、NPT、CTBT、IAEA包括的保障措置協定、IAEA追加議定書、BWC、CWCといった国際的な枠組みを重視しており、種々の機会を捉えてこれらの軍縮・不拡散関連条約へのコミットメントを再確認すると共に、その機能強化、普遍化及び完全な履行を追求していくことが重要であると考えている。これらに関する我が国の基本的な考え方及び具体的取り組みについては、テーマ別セッションにおいて説明したい。

(3) また、大量破壊兵器の問題に加え、小型武器及び地雷の問題は国際社会として取り組むべき優先課題であり、我が国としても重視している。これらの分野においては進展が見られたが、今後の課題も多い。日本はコロンビア及び南アと共に小型武器決議案を提出する予定だが、コンセンサス採択を目指したい。また、軍縮・不拡散の進展のための軍縮・不拡散教育も重視している。これらの課題についても別途各テーマ別セッションにおいて我が国の考えを述べていく。

4.総論

 今次第一委の課題は大きいが、加盟国がこの軍縮・安全保障フォーラムを最大限に活用し、その機能強化を図ることにより、マルチの軍縮・安全保障体制が有効且つ効率的に機能していることを国際社会に示すことが必要である。


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