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日中韓・IEA・エネルギー憲章事務局朝食会
(背景及び概要)

平成14年3月7日

 2002年3月4日、赤坂プリンス・ホテルにて、日中韓のエネルギー担当の局長レベルと国際エネルギー機関(IEA)及びエネルギー憲章事務局(ECS)の事務局長との間で朝食会を開催し、エネルギー協力の問題について、非公式に自由な意見交換を行ったところ、朝食会が開催されるに至った背景及び朝食会の概要以下のとおり。

1. 背景

(1) 2001年11月にブルネイでのASEAN+3首脳会議の際に開催された日中韓首脳朝食会において、小泉総理より、北東アジアにおけるエネルギー安全保障の強化のためには、日中韓協力を強化していくことが重要と考える旨提唱し、三国間でエネルギー分野に関する協力を進めていくことに合意したことを受けて、本朝食会を開催した。

(2) 本朝食会は、3月4日の「アジア・エネルギー安全保障セミナー」に日中韓代表並びにIEA及びECSの事務局長が出席する機会を捉え、この五者が会合することを日本から提案して実現したもの。

(3) 日本はIEA加盟国であり、エネルギー憲章会議のメンバー(但し、エネルギー憲章条約は署名未締結)であるが、中国はIEAとの対話国で、エネルギー憲章会議のオブザーバー、韓国はIEAへの加入を決定したが、これまでエネルギー憲章会議には参加してきていないという状況の下、日本から中国、韓国とIEA、ECSの両国際機関を本朝食会に招待した。


2. 概要

(1) 日本より北島経済局長(側嶋経エネ長、小林資源エネルギー庁国際課長他同席)、中国より宋朝義(ソン・チャオイー)国家発展計画委員会基礎産業発展司副司長、韓国より任洪宰(イム・ホンジェ)外交通商部国際経済局長、IEAよりプリドル事務局長、ECSよりケンパー事務局長が出席した。

(2) 日中韓三国よりは、それぞれの国のエネルギー政策及び北東アジアのエネルギー情勢の認識等について説明があり、IEA及びECSからは、各国際機関の活動及び非加盟国との対話についての考え方等について説明がなされた。

(3) 今回のような会合が有意義であることについては、全ての参加者の意見の一致を見た。また、日中韓三国は三国間のエネルギー協力を進めていくため、今後ともこのような会合を開催していくことに合意した。


1. 冒頭

 北島局長より、参加者の紹介を行うとともに、アジア安全保障セミナーの経緯につき説明し、出席者より概要以下のとおり発言があった。

(1) 韓国

(イ) 日中韓3国のエネルギー消費量は全世界の約17%にもなり、3国間のエネルギー協力は重要であるにも拘わらず、これまでエネルギー分野での3国間対話は行われなかった。本朝食会は3国が中心となる初めてのエネルギー対話の場。
(ロ) IEAやECSとの協議も重要。国内手続きが終了していなかったIEAへの正式な加盟手続きについては、今月中にも修了する見込み。ECSは旧ソ連や欧州を中心に投資環境整備等で活動しており、興味を有している。


(2) ECS

(イ) 2001年12月に憲章条約10周年記念会合を行い、日本からも助力を頂いた。現在、日本は署名を了しているが、中国からオブザーバー参加を得ており歓迎したい。韓国の生産力を認識しており、関心を持って頂きたい。
(ロ) 本条約では、エネルギー原料・産品の貿易及び通過の自由化、エネルギー分野における投資の自由化・保護を規定しており、旧ソ連及び中東欧諸国を中心に、市場原理に基づく法整備等を行い、エネルギー原料・産品の貿易の自由化及びエネルギー分野における投資の自由化・保護を図ることにより、当該諸国から先進諸国へのエネルギーの安定供給の確保並びに当該諸国のエネルギー分野の再建及び経済改革を促進する意義がある。


(3) IEA

(イ) 日中韓及びECSとの意見交換を歓迎。
(ロ) IEAは27年の歴史を有する、OECD加盟国を主として構成される、石油を中心としたエネルギー安全保障を目的とする国際機関。日本は代表的な消費国として主要メンバーの一人であり、韓国も既に署名を了している。また、中国は3年毎に入れ替わる非加盟国間との対話のメンバー。
(ハ) 2001年9月の米国テロ事件は、IEAにとっても、極めてショックな事件。エネルギー安全保障の意義を再確認する機会となった。


(4) 中国

(イ) 本朝食会における意見交換を歓迎。中国はASEAN+3における協力に関心があり、日中韓におけるエネルギー協力を進めていきたい。また、IEAやECSとの協力にも関心がある。
(ロ) 現在、中国はエネルギー需要の急増により、既にエネルギーの純輸入国ではなく純輸入国。そのため、エネルギー安全保障に対する関心が高まっている。
(ハ) 中国政府としては、環境保全とエネルギー安全保障の双方に関心があり、具体的には、クリーン・エネルギーの開発・技術導入に関心を有している。西気東輸プロジェクトは、原油からより環境に優しい天然ガスへのシフトとの意味からも重要視。


2. その後の意見交換における各参加者の興味ある発言は以下のとおり。

(1) 中国

 各国とのエネルギーに関する対話としては、天然ガスと原油に関するロシアとの対話が重要。その他の国としては、カザフスタンとも対話の機会を有している。カザフスタンより、ガスの輸入に関する提案がなされており、現在、検討中。

(2) 韓国

(イ) 原油の備蓄について関心を有しており、IEAの経験を参考としたい。
(ロ) 韓国は日本政府と同様、新たなエネルギー源として原子力を重視。


(3) IEA

 中国はアジアのエネルギー需給において、中心的存在。特に需要面での同行が他国にもかなりの影響力を与える。

(4) ECS

 エネルギー憲章条約にとり、旧ソ連の中でロシアは最も重要な国であるが、その他ではカザフスタンも重視。カスピ海地域の潜在的なエネルギー生産力には注目している。そのため、カザフスタンとは対話を行っている。

(5) 日本

(イ) 北島局長
 原子力は極めて重要な分野。環境負荷やエネルギー生産能力での問題は少ないが、社会的に難しいところがあり、用地の選択を注意深くする必要。
(ロ) 小林課長
 日中韓及びIEAとECSとの対話を歓迎。我々は、アジア諸国とは互いの協力が可能であると認識しており、既に協力を行っている。また、IEAやAPEC等のエクササイズを通じ市場の透明性の確保に努力している。また、持続可能な成長のため、原子力は重要なエネルギー源。協力のプロセスは目に見える形が行われることが重要。



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