(イ) |
第1セッション(投資における課題)では、その前に行われた民間専門家等による投資問題に関するブレーンストーミング・セッションの結果報告が行われ、市場改革の下での投資の障害、投資における市場と政府の役割、先端エネルギー技術における投資の問題が議論され、日本(平沼大臣)より、日本における天然ガスの利用促進に向けた取り組みを例に、上流開発事業、インフラ整備、また技術開発における政府の役割を紹介した。
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(ロ) |
第2セッション(短期的リスクとその対応策)では、短期的リスクと供給セキュリティの強化、緊急時対応と関係者の義務の遵守、生産国との対話と主要非加盟国との協調等につき、議論が行われた。日本(平沼大臣)からは、今次のイラク攻撃を巡って、IEA加盟国が初期対応計画を事前に策定、緊密な意志疎通を保ちつつ成功裏に対応できたこと、産油国と消費国が新たな協力関係のステージに入ったこと、またIEAが備蓄を基本としつつ供給・消費両サイドの短期的リスクに対応すべき旨発言。
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(ハ) |
第3セッション(エネルギー・セキュリティの新しい側面)では、自由化された電力及びガス市場における政府の役割、自由化市場での規制当局、産業界、消費者の役割、電力・ガスにおける国際的協調のあり方等につき議論が行われるとともに、エイブラハム米エネルギー長官より水素社会の国際パートナーシップの提唱があり、関連の議論が行われた。日本(日出政務官及び岡本資源エネルギー庁長官)より、各国事情に応じた市場設計や自由化を強調、その関連でIEAの国別詳細審査及び非加盟国との意見交換の重要性について指摘した。
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(ニ) |
第4セッション(共通目標の非加盟国への拡大)では、ロシアとの二国間及び多国間の枠組みを通じたエネルギー協力の重要性と北東アジアの非加盟国との協力の重要性を議論。また、ロシアのユスフォフ・エネルギー大臣が初めて出席し、ロシアのエネルギー事情について詳細に紹介、今後の輸出先として北米及び北東アジアの重要性に言及。各国よりロシアとの協力について積極的な意見が多く出された。日本からは、ロシアにとってのアジア太平洋地域の意義(平沼大臣)、1月の日露首脳会談を通じた二国間エネルギー協力の前進に言及しつつ、エネルギー需要の急増が見込まれるアジア太平洋のエネルギー安全保障の重要性及びシベリア極東地域の戦略的重要性を強調、更にASEANや中印といったアジア地域での取り組みをIEAや韓国の協力を得つつ推進すべき旨述べた(日出政務官)。
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(ホ) |
第5セッション(共通目標の強化)では、「3つのE(エネルギー安全保障、環境保全、経済成長)」のバランス、気候変動や持続可能な開発の問題でのエネルギー大臣や省庁の役割等について議論。日本(日出政務官)より、エネルギー教育や環境教育の領域におけるIEAの役割に言及した。 |