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経済

第19回IEA閣僚理事会
(概要と評価)


平成15年4月29日


 4月28日及び29日、パリにおいて第19回国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会がウィルソン英閣外大臣(エネルギー、建設担当)の議長の下開催され、日本より平沼経済産業大臣、日出外務大臣政務官が出席したところ、概要及び評価は以下の通り。

1.概要

(1) 全般

(イ) 2日間にわたる閣僚理事会では、5つのセッションの下、「投資における課題」、「短期的リスクとその対応策」、「エネルギー・セキュリティの新しい側面」、「共通目標の非加盟国への拡大」及び「共通目標の強化」についてそれぞれ議論し、コミュニケを採択。

(ロ) 第4セッションでは、非加盟国であるロシアの閣僚(ユスフォフ・エネルギー大臣)が初めて参加し、1993年の閣僚理事会にて採択されたIEAの活動基本方針である「Shared Goals(共通目標)」の非加盟国への拡大について議論が行われた(前回の閣僚理事会では、中国、インドから閣僚が参加)。

(ハ) また、閣僚理事会と並行して、IEAのエネルギー技術分野における取り組みを紹介するエネルギー技術協力フェアが開催された。


(2) 各セッションの概要

(イ) 第1セッション(投資における課題)では、その前に行われた民間専門家等による投資問題に関するブレーンストーミング・セッションの結果報告が行われ、市場改革の下での投資の障害、投資における市場と政府の役割、先端エネルギー技術における投資の問題が議論され、日本(平沼大臣)より、日本における天然ガスの利用促進に向けた取り組みを例に、上流開発事業、インフラ整備、また技術開発における政府の役割を紹介した。

(ロ) 第2セッション(短期的リスクとその対応策)では、短期的リスクと供給セキュリティの強化、緊急時対応と関係者の義務の遵守、生産国との対話と主要非加盟国との協調等につき、議論が行われた。日本(平沼大臣)からは、今次のイラク攻撃を巡って、IEA加盟国が初期対応計画を事前に策定、緊密な意志疎通を保ちつつ成功裏に対応できたこと、産油国と消費国が新たな協力関係のステージに入ったこと、またIEAが備蓄を基本としつつ供給・消費両サイドの短期的リスクに対応すべき旨発言。

(ハ) 第3セッション(エネルギー・セキュリティの新しい側面)では、自由化された電力及びガス市場における政府の役割、自由化市場での規制当局、産業界、消費者の役割、電力・ガスにおける国際的協調のあり方等につき議論が行われるとともに、エイブラハム米エネルギー長官より水素社会の国際パートナーシップの提唱があり、関連の議論が行われた。日本(日出政務官及び岡本資源エネルギー庁長官)より、各国事情に応じた市場設計や自由化を強調、その関連でIEAの国別詳細審査及び非加盟国との意見交換の重要性について指摘した。

(ニ) 第4セッション(共通目標の非加盟国への拡大)では、ロシアとの二国間及び多国間の枠組みを通じたエネルギー協力の重要性と北東アジアの非加盟国との協力の重要性を議論。また、ロシアのユスフォフ・エネルギー大臣が初めて出席し、ロシアのエネルギー事情について詳細に紹介、今後の輸出先として北米及び北東アジアの重要性に言及。各国よりロシアとの協力について積極的な意見が多く出された。日本からは、ロシアにとってのアジア太平洋地域の意義(平沼大臣)、1月の日露首脳会談を通じた二国間エネルギー協力の前進に言及しつつ、エネルギー需要の急増が見込まれるアジア太平洋のエネルギー安全保障の重要性及びシベリア極東地域の戦略的重要性を強調、更にASEANや中印といったアジア地域での取り組みをIEAや韓国の協力を得つつ推進すべき旨述べた(日出政務官)。

(ホ) 第5セッション(共通目標の強化)では、「3つのE(エネルギー安全保障、環境保全、経済成長)」のバランス、気候変動や持続可能な開発の問題でのエネルギー大臣や省庁の役割等について議論。日本(日出政務官)より、エネルギー教育や環境教育の領域におけるIEAの役割に言及した。


2.評価

 以下の諸点についてIEA加盟国の共通の認識が表明されたことを評価。

(1) イラク情勢の緊迫化及び対イラク軍事行動開始に対し、IEAとして的確に対応できたことを評価。

(2) エネルギー安全保障の重要性の再確認。

(3) 産消間の協力拡大を支援。(大阪での第8回国際エネルギー・フォーラムへの評価及びオランダでの第9回フォーラムへの期待。)

(4) エネルギー源、供給源及び供給ルートの多様化を支持。それぞれの国が原子力や再生可能エネルギーを含め、エネルギー・ミックスを選択してきたことを確認。

(5) グローバルなエネルギー需給にとって肝要な非加盟国とのエネルギー安全保障上の協力を加速化。

(6) 持続可能なエネルギー利用促進を巡る諸課題に対応。技術の一層の発展を求め、更に戦略的諸分野における研究・開発計画の焦点を再検討。


3.その他(G8エネルギー大臣非公式昼食会)

 29日の会合終了後G8エネルギー大臣による非公式な昼食会を実施。日本からは平沼経産大臣と日出政務官が出席した。会合では、対イラク軍事行動に関連したIEAの対応ぶりを肯定的に評価したほか、原油価格の問題、米国の水素エネルギーに関する提案や再生可能エネルギー等の技術問題、産油国の投資環境整備等、幅広く議論された。


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