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第四回国際経済・金融システム研究会


【第二部】

<自由討議>

行天座長

 どうもありがとうございました。3人の方から、中国、韓国、それからアメリカという、日本のアジア政策にとって最も重要な国々との関係を中心に、大変刺激的なお話を伺ったと思います。この研究会、最終的な目標というのは、あくまでアジアにおける日本のオリエンテーションはどうあるべきか、そしてまた、そういう背景として、このアジア全体がグローバルな環境の中でどういう役割を果たすかということにあるんだろうと思います。そこで、早速、皆様方との間で、特に今日は3人のスピーカーの方のお話をきっかけにして、いろいろとご意見を頂きたいと思います。
 田中委員の話で、細かい話なんですけれども、特に北鮮に対する対応で送金停止の話が出ましたけれども、これは絶対に効果はないんですよ。できないんですよ、はっきり言って。昔もやりかけたことがあったんですけど、特にあのころから比べると、ますます自由化が進んじゃっておりますから、これは事実上不可能だろうと思います。
 それから、アメリカの対中政策なんですけれども、僕はちょっとまだ疑問に思うのは、例の大使館誤爆事件で、アメリカはどうしてもっとまじめなというか、まともな謝罪なり賠償なりをやらなかったのか、依然として不思議なんですね。何か非常にアメリカの対応が、中国が怒っているのはわかっているのに、あまりどうもまじめにやっていないのではないか。何かその背後にあるのかなと、これは極めて野次馬的な感想なんですけれども、それがあると。
 それから3番目に、これも細かい話なんですけれども、例の李登輝の話なんですけれども、彼はやっぱり中国・台湾の関係について、特殊な国家関係だという言葉を使っていますね。この「特殊な」という意味は何かあるんですか。何か将来への1つの布石というようなものも考えたものがあるのかなということです。これは田中委員に対する私の割と細かい質問なんですが。
 それから山澤委員、日韓関係がこのところかなり改善したということはおっしゃる通りで、非常に喜ばしいことだろうと思っているんですけれども、これは日本でもよく言われることですし、韓国の方でも依然として言われるんですけれども、いわゆる過去の問題を含めた日韓の本当の意味での、心情的というのか精神的というのか、そういうレベルでの話というのは、一体、山澤委員のお感じで、これもやっぱりかなりよくなったのか。それからまた将来に向けて、この問題が相当根本的に解決というか、改善すると思っておられるのか。アジ研でやっておられるいろんなことは、私は大変いいことだと思うんですけれども、特に、過去の問題も含めた底辺での日韓問題ということになると、やっぱり教育の問題というのが非常に大事になるのではないかと思うんですけれども、この点は日韓で何か具体的にお互いに何とかしようというような機運が起こっているんだろうかという感じをちょっと教えていただきたいと思います。
 それからFTAに絡んで、日韓の経済関係というのは、地理的に近い割には、そんなに強くないということが言えるんですよね。韓国にとって最大の貿易相手は、依然として日本ではなくてアメリカですし、それから投資とか銀行の融資なんかを見ても、それ程、近い割には、日本が断トツに関係があるというわけではないんですね。ですから、そういう2国間でこのFTAというような感じの話を、具体的にどういうふうに進めていくのかなということ。それと絡んで、山澤委員のお考えで、将来のところ、日韓の、特に経済関係というのは、水平的な分野と垂直的な分野が両方、まだ残っていますね。その意味ではかなり、対欧米あるいは対アジアとの関係に比べると、かなり複雑だろうと思うんですけれども、この点、もし何か教えていただけたらと思っています。
 それから岡本委員のお話で、アメリカのアジア政策というのが整合性がないというお話でしたが、考えてみるとアメリカの政策というのは、大西洋政策、太平洋政策、それから国内政策というかな、3つの力が絶えず絡み合ってきたと思うんですけれども。確かに最近アメリカが、特に経済的に、それからまた軍事的にもそうですけれども、非常にかつてなかったほどスーパーパワーになっているということを、彼ら自身がだんだんと信じちゃっているような感じになっていると思うんですね。そうなってきたことが、さっき岡本委員が言われた対アジア政策なんかについても影響をもたらしてきているのであって、必ずしも岡本委員が心配されているような対日関係が非常にコミットメントがなくなったというようなことが、日本についてだけの問題ではなくて、アメリカという国は最近かなりそういう意味では、自分1人で何でもできるという感じになっている。同時にそれは、過去においてのいろいろなしがらみで、あんまり世界のポリスマンはもううんざりだなという、そういう割りと消極的な感じと、現状がアメリカにとっては非常に自分の力を認識させるような状態になっているということの両方の結果であって、必ずしも対日関係だけが、最近のアメリカの政策の中で、大きなマイナスの動きを示しているほどでもないのではないかという気もするんですけれども、その辺、もし何かあったら教えていただきたいと思うんですけれども。
 皆さん、まずいろいろご意見を頂いて、その後でまた3人の方にお話し頂いたらと思いますが。

大島・外務省経済協力局長

 2、3コメントをさせて頂きたいと思います。まず北朝鮮の話ですが、私は個人的には北朝鮮問題への対応というのは、崩壊する運命にあるものが、いかに危険を少なくして崩壊に向かわせるかというか、導く過程をいかにうまく管理していくかということに、多分要諦があるんだろうと思います。そのためには何をやるべきかと、その辺を慎重に考える必要があります。その関連で今、行天座長が送金の話をされた、確かにこれは非常に難しいんだろうと思うんですが、相当金が流れているのは事実とされていますし、また、朝銀信用組合が相当大きな不良債権を抱えていて、その救済の話が再度持ち上がっているようであり、これはやはり相当慎重に考える必要があろうと思います。
 そもそも、なぜ朝銀信組がそんな大きな不良債権を抱えるに至ったか、もっと究明される必要があるし、仮にも北朝鮮への不法送金の結果として、その尻ぬぐいを日本国民の税金でやるのが果たしていいのかどうか、大いに問題であろうと思います。そういう意味で、確かに送金の問題は難しい面があるんだろうと思うんですけれども、もうちょっと検討してみる問題を含んでいるのではないかなという点が1つございます。
 それから2番目に、岡本委員の言われた話は大変に共感するところが多いんですが、非常に興味深いと思うのは、改めてアジア経済危機の原因、過程を改めて、IMFに任せないで、アジアとともに分析したらどうだということを言っておられました。同感であり、私も同じような発想で、アジア人の手で今までのアジアの経済成長・発展の経過、今回の経済危機に至る経緯、それから危機克服、それを踏まえての将来のビジョンというのは、分析し評価することをやってはどうかというふうに感じております。
 世銀がかつてやった「東アジアの奇跡」のスタディには、もちろんアジア人の学者も、特にインド人が多かったようですけれども、参加をしているわけですが、基本的には欧米人のアナリストの手によるものでした。それはもちろんいいわけですけれども、やはりアジアの中にも、立派な研究者もおられる。アジア経済ミッション(奥田ミッション)が行かれますけれども、それから年末には、日・アセアン首脳会談もあるわけですから、政治のプロセスにも乗せて、アジアの中で総意をつくって、仕組みをきちんとした上で、2、3年かけてでも、歴史に残るようなアジア人の手になるアジア経済発展史のようなものをつくるのに意義があるんだろうと思いますね。
 それから、日米の関係で、特に岡本委員がアメリカの日米安保に対するコミットメントに本質的なものが感じられないという、非常に重要な指摘をなされた。私自身もちょっとそういう感じがいたします。今の民主党政権とその前の共和党政権、共和党か民主党かで差があるのかどうかというのはよくわかりませんが、例えば尖閣を巡る日中の言い争いに、アメリカは距離を取ることを相当はっきり臭わせたわけですが、これなど姿勢の変化を示すものかどうか、させるものではないかと非常に気になるものがあります。

篠原委員

 山澤委員のお話を邪魔するような格好になっちゃうのかもしれませんけれども、最近、我々の周りで起きた経験を1つ、2つご紹介させてください。個人的に申し上げますと、私は1973年にピカという妙なところに出向させられまして、韓国担当を1年有余年やって、毎月10日ずつソウルに通っておったというのが韓国とのつながりの初めでして、これは金大中が拉致された年ですね。ですからお話の中にあった緊密化と摩擦は両方とも増えていったというのを、商売をしながらずっとつき合ってきたつもりであります。
 危機以前の話なんですけれども、韓国の全銀協が持っているシンクタンクの韓国金融研究院というところと、共同研究のプログラムを作ろうよという問いかけがあって、いいですよと。これはOECDに入って、OECDに韓国は壮大な自由化の約束をしちゃったけれども、日本がこれを30年に引き延ばして実行してきたと、あのノウハウをどうしても知りたいと。だから一緒にそのプログラムを書いてよと。これはとってもおもしろい話だったので乗っていて、それをやっている間に危機が始まっちゃいまして、もう30年どころの騒ぎではなくて、2カ月ぐらいの間にみんな自由化になっちゃったわけですけれども。ただ、その後、何が起きたかと言えば、この緊急プログラムは、円の自由化、円の国際化、これがリージョンと、韓国なら韓国に与えるインプリケーショーンというようなもので、もう一遍やろうというふうになってきています。
 こういう話が向こうから来るなというのが、実は25年、韓国とつき合っていて、非常におもしろい動きだなと思っていたんです。昨年の12月、ここにいる小島委員と一緒に、もう1人、深川先生と3人でソウルに呼び付けられまして、国際経済学、国際金融学の先生方、40人ぐらいを相手に、朝の9時半ごろから夕方の6時ごろまで、3人、被告席に座らされたというシンポジウムがあったんですけれども、間違いなく皆さん、全部アメリカのPhDですね。ですから飯を食ったりなんかしているときは英語でしゃべっていたんですが、その9時半から6時までの間は、私たちの話の中に英語を入れる必要はありませんよね、日本語でやってください、私のほうも韓国語でやります、真ん中に通訳を入れますと。こんなことを言われたのは初めてですね。非常に驚いたわけですね。
 それで今年の3月に、これまた違うチームで韓国に行って、財経部4カ所、中銀2カ所、金融再生委員会、あとシンクタンクを3カ所ぐらい回りまして、僕たちが言う前に、全員がアジア通貨基金、アジア通貨機構というのは非常にいい案だった、もう一遍日本が出してくれ、我々は間違いなくしっかり後ろからサポートしていきますと。これは本当に目が落っこちゃうかと思うくらい驚いたですね。これ行天座長のご希望に対する、ある種の皮膚感覚としてのお答えになるのかもしれないんですけれども、どこか韓国の中で、本質的なところで、日本に向いて期待が高まっているのではないのだろうか。これは、過去、私が知っている25年、あるいは戦後の50年を考えると、とても新しい動きであって、これに対するちゃんとした認識と、その認識に基づいた回答を、日本の方が間違えない格好で展開することが今必要じゃないかなと、そんなふうに思っています。

竹中委員

 実は、今篠原委員が最後におっしゃったことと重なるんですけれども、アジアの長期的な国際関係が今後どうなるかということを考える場合に、1つのキーワードは、実はたまたまこの間の経済計画で、堺屋さんが「知恵の時代」という言葉を使いましたけれども、そういった、まさにナレッジというものをそれぞれの国がどれほど持って、それを有効活用しているかということにかなり依存してくるんだと思うんですね。その点で、先ほど岡本委員が言われたように、結局アメリカがそういった意味での、特に通信情報関連の分野を中心に、そのナレッジを集約して持っていると。特にこの分野というのは、今までのマーケットと違って、圧倒的なファースト・ムーバーズ・アドバンテージが働く、最初に動いたものが圧倒的な利益になる。かつそのマーケットでは、ウィナー・テーク・オールのメカニズムが働くということで、それが結果的にやはりグローバル・スタンダードになる。アメリカというのは、その圧倒的な自信に裏づけられているから、ある意味でその場その場の状況対応的な、先程岡本委員が言われましたけれども、そういう外交でやっていけばいいんだ、あと、そういう状況でいいんだという形になっているんだと思うんですね。
 では、アジアの国はそういった状況をどのように受けとめて対応していくんだろうか。その中で日本はどういう位置づけになっているんだという点が、実はかなりこれは大きな問題ですから、今回だけではなくて長期的に話し合われなきゃいけないと思うんですけれども、極端に言うと、私はかなり無節操にそれを受け入れている一部分があると。私は、その意味では、韓国などというのは非常にしたたかに、見事に日本よりもはるかに早くそれを受け入れているんだと思うんですね。山澤委員が先ほど見事なコメントを、どこまでいくんだと思うほど改革していると。
 一方で、すごく強力にそれをレジストしているように見える国があるわけですね。これは中国であり、マハティールのマレーシアである。マレーシアが本当にレジストしていると私は思わないんですけれども、そういうふうに見える国がある。では日本はどうかというと、とにかく日本のやり方は違うんだというふうに一方で言って、しかしではそれに対して何か発信しているかというと、やっぱり発信できていなくて、その点は発信しなければいけないというご意見が当然あるんだけれども、実はそういう体制にやっぱり僕らが全くなっていないということだと思うんですね。
 例えば「知恵の時代」に対応する、最近のあるアンケート調査で私は大変おもしろいなと思ったんですけれども、ナレッジをどの程度大切にしているかということだと思うんですが、アンケート調査で、親に対して、自分の子供をどこまで進学させたいですかと。高校、大学、大学院といいますと、これはアメリカでは46%の親が大学院まで行かせたいという願望を持っているんです。これは実際に行くんじゃなくて願望です、46%。それに対して、日本の親で大学院まで行かせたいと考えているのは1.8%なんですね。これは韓国は43%なんです。いろんな意味で、やっぱり韓国というのは、非常にアメリカにしたたかについていっているようなところがある。
 しかし明らかに日本という国は、通信情報革命関連などもそうですけれども、そういった対抗的な知を示せる、多分唯一のポテンシャルを持った国であるというふうに、我々も思いますし、アジアもどこかそこを認め出して、だからそういった期待が高まっていると篠原委員がさっきおっしゃったけれども、でもその期待はあるんだけれども、多分実態が今、日本はこうですから。国際関係で日本の貢献ということを考えるならば、新しい知能、成功体験を日本がどのくらい示せるかというのが、やはりアジアの国際関係の中で非常に重要になってきているんだと思うんです。
 一方で日本は、何か腰が引けているところがあるんだけれども、一方ですごく無節操にアメリカのテクノヘゲモニーの傘下に入っているところがあって、例えばカー・ナビゲーションなんていうのがそうだと思うんですね。例えば行天座長を初め、日本のVIPが今どこを走っているかというのは、アメリカはその気になれば今すぐ全部把握できるわけですね。これはものすごいことだと思うんですね、そういう安全保障という観点から考えると。結局、だからそういった知の時代に対する対応という観点から、もう一回、アジア各国の対応と、そこから生まれる将来の国際関係というものをちょっと見直すというような機会を持ったらいかがかというのが、基本的な問題の提案です。
 それとの関連ですけれども、実はこういう状況下では明らかに所得格差は高まるはずなんですね。所得格差の高まりというのは、実は日本国内ではもう着実に起こっていて、これも最近の我々経済学者の発見で、非常に私自身も驚いたんですけれども、ジニ係数で所得格差をはじいてみますと、実は、税制捕捉前では、アメリカよりも日本のほうがジニ係数は高いんです。かつ、このジニ係数は、80年代から90年代にかけて日本で一気に高まった。日本はいろんな指標から見る限り、決して所得が平等が国ではなくて、世界の中では割と普通の国にもうなっているんだと。そういう問題がアジアの国内で起こる、アジアの域内で起こるということだと思いますから。これが長期的に、アジアの国際関係にどういう影響を及ぼすかというのを、少しまとめて議論してみるというのも1つかなと思います。

石井・外務省総合外交政策局企画課長

 3点ばかり申し上げたいと思います。1点目は、岡本委員がおっしゃったことと全く同じなんですけれども、日米関係を変数にしないというのが、多分アジアの安定のために日本ができる一番の貢献なのではないかと思います。企画課長なんかをやっていますと、将来のことを考えろと言われて、いろいろあれがどうなったこうなったと考えるわけですけれども、アジアを見ると、あまりにも変数が多すぎるんですね。将来の見通しが非常に難しい。要するに中国は台湾を統一するのに武力を行使するというオプションを捨てませんと言っている訳で、安定しない訳です。これがヨーロッパと根本的に違う点だろうと思います、朝鮮半島の問題もあります。そういう中で、日米がそれに加えて変数になると、余りに不透明になってしまう。だから、日米の同盟があるというのが多分一番の錨になっている、そこが一番重要なことだと思います。
 実は、私も個人的には安保の関係ではアメリカにいろいろな疑問を感じますし、最近冷たいなと感じることもあるんですけれども、実はアメリカ一人勝ちというのは、見てみてそんなに、日本にとって得かどうかと考えると、悪くないかなという感じがいたします。ヨーロッパの人たちもそれをある意味で分かっていて、アメリカ・イズ・ア・プロブレムというわけですけれども、バット・アメリカ・イズ・ア・ソリューションと言って、最後はアメリカに頼らなければいけないというのをみんな認識しているのが現状です。
 先程、岡本委員がアメリカの同盟に対するコミットメントが最近減じているんじゃないかと、私もそういう感じはありますけれども、僕らぐらいの年代になると、アメリカが冷たくなったなというよりは、どうせこれは両方の利益に基づいての同盟なんだから、いかにアメリカが利益を感じるように仕向けるかということをやらないといかんなという感じに、非常にドライに捉えている面がありまして。まあガイドラインなんかもその1つですし、恐らく日本経済であるとかアジア経済がよくなるということも、同盟を維持する時に非常に大きな糧になるのかなという感じがいたします。
 2つ目でございますが、必ずしも話が出なかったのですが、アジアの安定ということを考えるときに、アジアの外との関係というのを今後どうしていくのかという問題がもう1つあるのではないかと思います。1つ、私どもが最近考えていますのは、アジアと湾岸の関係というのをこの機会に何か、もう少し強化できないかなという問題意識があります。これも皆さんはよくご存じだと思いますけれども、エネルギーの最近の需給関係というのは、非常に単純に言いますと、北米・南米均衡、欧州・アフリカ均衡、あまり外に頼る必要はない。唯一残るのはアジアと中東、要するにアジアのエネルギーは中東から入れなきゃいけない。逆に言うと、中東から見ると、しばらくの間はアジアしか売れないという状況がある。その時に湾岸とアジアの関係強化のために具体的に何かできないのかなという、具体的なものはまだないんですけれども、問題意識がございます。当然、湾岸側が利益を感じるような形にしなければいけないわけで、本当に何ができるのかを考えなければいけないと思います。
 最後、3点目、篠原委員がAMFの話をなさっていたので、全く私の1回だけの経験だけ申し上げますと、実は竹中委員も出ておられた「アジアビジョン21」という会合をハーバードが主催しまして、日本とアジアの諸国のビジネスマンが集まって、アジアの将来について話し合うという会合が開かれた。実は3年計画でやろうということになって、来年は香港ということになっております。そこで私みたいな経済の素人が出て、唯一おもしろかったのはAMFに関する議論で、要するに、アジアの人たちが、これはアメリカが反対してつぶしたけれども、実はアメリカが反対しなかったら僕らがつぶそうと思っていたという議論を相当活発にやりまして、いろいろ突き詰めてみると、日本がそんなことをやる地位にないだろうというふうな話がございました。特に、中国は非常に強い反発を示しておったという感じです。その中で、実は、バーグステンなんかは、アジア・パシフィック・マネタリー・ファンドにしたらどうかというようなことを言いまして、そうすると韓国側が、AMFというのはアメリカが入っていないので意味があるので、そんなことをやっても意味がないのであるというような発言をする、まあ結構おもしろい話でした。非常に突き詰めてみると、現場でやっている人たちと、中に通貨当局の人もいたんですけれども、これはアジアの人たちのAMFというのに対する根底の反発のようなものがあるなというのが私の率直な感想です。以上でございます。

楠川委員

 2つのことを申し上げたい。
 1つはAPECの民間諮問委員会(ABAC)でのことです。昨年、ABACの台北の会議で、早期自由化措置について、いろいろ農業関連の問題が議論されました。ここで実は、我々は日本の主張を貫くべくかなり頑張って、会議が一時中断する程の騒ぎになってしまったのですが、それでも我々の主張を通すことが出来ました。その時に、同じような立場にあるはずの韓国が全く反応を示さなかったので、私は韓国の委員に「あなた達の考えはどうなんだ」と尋ねたのですが、はっきりした回答はありませんでした。韓国の当時のIMF依存の事情からすれば、あまり国際的に刺激的なことを言う立場にはなかったのかと思います。
 今年は先日、東京会議をやりましたが、韓国の態度はがらりと変わっていて、農業問題については、日本のポジションを全面的に支持してくれました。どうも去年、日本が1人で頑張っていたのを見ていた韓国国内の関係者達が韓国委員を突き上げたというのが実情であったようです。
 ただこうした韓国側の変化は農業問題に限らず、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカなどのケアンズ諸国からでてきているABACの組織運営変更案についても日本側反論に同調するなど、このところ著しい変化が見られます。
 それから、もう一つのこととして、丁度一カ月前に韓国に参りましたときの印象を申し上げたいと思います。
 韓国と言うと、我々はかなりはっきりした我々なりのコンセプトを持っていて、それをもって韓国のいろいろな現象を理解して来たし、これからも理解出来ると思っているが、ひょっとすると、これは今後は違うかもしれない、そういうコンセプトを変える必要があるかもしれない、ということです。これは竹中委員が言われたことと絡むのですが、金大中大統領が就任すると同時にIMF借入の問題がでてきた。新しい政府にとってはIMFからの条件は非常に都合のよい革新のための錦の御旗になった。そこで我々などがIMFの対アジア政策を批判したりすると、韓国側はそれは言わないで呉れ、という。要するにIMF的なアプローチを非常にうまく政治的に利用しているということです。そしてその結果は、嘗ては日本的アプローチで同質的な対応をしていた韓国に、新しいフィロゾフィでのアプローチが目立ち始めて来たということです。特に若手の行政官など、米国留学型のアイデアリスティックなIMF的なヴィジョンとは異質のもの、我々とは異質のパラダイムが胎動し始めて来たのかも知れません。これが本物かどうかは、なお見守る必要があります。チェポールなど旧体制側からの抵抗や圧力もあるでしょう。結局は政治の意志が決め手になることだと思います。
 それから先程、篠原委員から出たKIFの話ですが、これはすでに五年か六年前に私も参加したのですが、この研究所と欧州のAMUEなどが共同でアジア通貨問題の議論をして、一つの通貨レジームを作ることは可能だ、という結論になったことを覚えています。
 それから、AMFで、石井さんから、このアイデアにアジアの各国はゾッとしてない、という話があったのですが、ABACの委員の間では、もう一度やってくれという話が非常に多いということを申し上げておきたいと思います。

近藤(剛)委員

 今日は3人の先生方から、それぞれすばらしく刺激的なお話を伺いまして、お伺いしながら、いろいろ考えさせていただきました。それで、いろいろ申し上げたいことはございますが、時間の関係もありますので、いくつかに絞りお話しさせていただきます。
 先ず1つが、今日のテーマであります「アジア太平洋における日本の取り組み」について、基本的には、日本だけでできることも当然ありますし、しかし、アメリカと一緒になってやったほうがいいこと、あるいはやらないとできないこともあるということを、きちっと踏まえて議論をしていかなければいけないのかなという思いがいたします。
 日本独自でできることの典型的な例としては、山澤委員がおっしゃった、日韓関係の経済関係の親密化はすばらしいお話だと思うのです。経済界においては、ご承知の通りだと思いますが、果たしてそういうことがリアリスティックなのかという議論があります。実際に韓国で商売をやっている現場からの意見はそのような構想に必ずしも好意的なものばかりではありません。にもかかわらず、私はそのような方向に向けての努力は、大変重要なものだと思います。5年、10年ではなくて、20年、30年のレンジでこういうことは考えることが必要です。しかし、今やれることは、一歩でも二歩でも着実にやっていくという姿勢も必要なんだろうと思います。
 ただその場合、韓国だけではなくて、中国しかり、あるいは他のアジア諸国についても同じだと思いますが、基本的には日本の信頼性をもうちょっと高める努力を我々自身がする必要があるのではないかと思います。日本の信頼性、クレディビリティ、アクセプタビリティをアジアにおいてもうちょっと高めるということを、我々自身が、政治・経済・文化、あるいは歴史認識などの面において、少なくとも努力をするという姿勢をより目に見える形で出していくことが重要なんだろうと思います。
 日米で一緒にやらなければいけないこと、あるいはやった方がいいことはたくさんあると思います。先生方がご指摘になった通り、特に安全保障面では、一緒にやらざるを得ない、やらなければできないことばかりです。しかし、最近、日米の協調の欠如を示す、いろいろな現象が出てきていることを大変懸念いたします。90年代の初頭、冷戦構造が崩壊したときは、理屈として、我々はこれから日米関係は従来のような訳にはいかない、こういうことが起こるかもしれないと思ったのですが、それが今、現実問題として起こってきているということなのです。従ってこのような現象はクリントン政権だから起こっているのではない、本来的に、冷戦構造がなくなった後、起こるべくして起こっているんだという認識を我々としては持つ必要があると思います。クリントン政権がだらしないから起こっているという認識では、これからの日本の対米政策に大きな間違いを犯す懸念があります。
 例えば米中関係についてのご指摘もそうですし、北朝鮮政策、あるいは情報収集衛星の問題についても、必ずしもしっくり行っているとは言い難い。経済面においても、11月末から12月の初めにかけて開催されるWTOの閣僚会議に対する方針についても全く日米間の連携がとれてないですね。交渉の仕方、あるいはアジェンダ設定についても意見の一致がありませんし、事務局長の人事についてもどうしてこういうことになったのかなと思うほど、日米間は連携がとれていない。我々としては、アメリカのアジア政策などの不完全性を批判するだけではなく、そのような政策をアメリカに出させた我が国の力量も問われているのだという考え方が必要だと思います。
 アジア太平洋がヨーロッパであったとしたら、果たして英国は今のようなアメリカの姿勢を許したのかどうか疑問です。やはり我々としては、アメリカの政策、特にアジア太平洋政策を単なる与件としてそれに対応するだけではなくて、望ましいアメリカのアジア政策をつくり出すために、我が国がどういうことができるのかを真剣に考えなければいけない。言葉を変えますと、日本のアジア政策のある部分は、対米政策でもあるという認識が必要だと思うのです。
 それでは最後に私が日米関係の将来について抱いている大きな懸念につき申し上げておきます。それは朝鮮半島統一後の日米安保条約がどうなるのかという点です。放置しておくと、アメリカ側ではそれを支えていくだけの政治的なコミットメントも、あるいは世論も自然には出てこないということを、我々は認識しておかなければいけないと思うのです。

近藤(誠)・外務省経済局審議官

 岡本委員が最後に言われた点、即ち日本はもはやアジアと欧米のかけ橋たり得ないというお話を聞いて、ああそうだったかと、一瞬ショックを受けました。しかし最近のサミットの事後説明でアジアを回ったりして感じますのは、そこまでまだいっていないかなという実感でございます。アジアは基本的には国が小さくて、割と身変わりが早い、割と独裁主義的な要素が残っていますから、いざとなれば割と早く変われるという側面もあります。したがって今のグローバリゼーションの時代、市場にレーティングされる時代にあって、うまく立ち回ったほうが得だというしたたかさによって、IMFの言うことを聞いてるふりをし、改革をしているふりをしているのではないかという面もあると思います。そうやりながら、本能的に、やはりこのままいくわけにはいかない、あるいはアジアにはアジアの魂があるという認識が芽生えているのではないか。それをうまく日本を使って、あるいは日本を頼って、残していきたいという、そういう建前と本音の違いがあるような気がします。
 中国の割と有名なエコノミスト、あるいはマレーシア人のエコノミスト、それからこの間フィリピンでシアソン外務長官と会いましたが、話をしていると、向こうのほうからAMFの話を出してくるんですね。こちらが仕掛けて聞くのではないんだけれども、向こうのほうから、是非やってほしいという感じのことを、先ほど篠原委員が言われたようなことを言っているということで、公の席では、マーケットメカニズム、IMF礼賛といいましょうか、従っていますよということを言いながら、やはり本質的なところでは懸念を持っている、日本に期待していると。そういうしたたかさがやはりあるのではないかと感じました。ですから、そこは日本としても利用して、あるいは利用してもらって、アジアに基盤を築いていくというアプローチが必要なのではないか。日本はやはり何と言ってもG7のメンバーであり、OECDのメンバーであり、アメリカとヨーロッパの間の新しいパラダイムを巡るある意味で主導権争いをうまく利用し得る立場にあるわけですから、そこにうまく切り込んで、アジアのアジェンダを世界の枢軸に示していくという、ある意味ではいいチャンスではあるのかなと思います。こうした観点から、日本としてもうまく立ち回る必要があるのかなと思います。そういう意味で、そういう1つのステップとして、来年の沖縄サミット、世界に対して是非その辺の知恵を頂きたいと改めて思うわけです。

田中委員

 一番最初の行天座長からのコメントというか質問で、送金停止は効かないと。あまり効かないほうがいいと思っています。本当に効いちゃったりすると、本当に大変なことになる可能性がある。ミサイルといったって別に日本に当たるわけじゃありませんから、ミサイルを打たれたときに、あまり効かない送金停止というような形のシンボリックなことの方が、かえっていいんじゃないかという感じはしています。
 それからアメリカの大使館の誤爆のアメリカの説明が悪いのは、本当によくわからないですけれども、ただ、イタリアのゴンドラをひっくり返したときの説明も、なかなか杜撰というか、よくわからないので、あれはやっぱり何かアメリカの特徴なんじゃないかという気がしますね。ひょっとすると、やっぱりちょっと本当のことを言うと、みっともなくて、恥ずかしくて、とても言えないというようなことがあるのかもしれないです。そういうことかもしれません。
 それから、李登輝さんの「特殊な関係」、やっぱりあれは「特殊な」というのはある程度くっつけてくれないと、本当に武力行使になっちゃう可能性がありますから。本当に国家関係だというふうに言った途端に、そうしたら、もうこれは全然だめなんだという話で。今度の、李登輝さんが言った後に、それで大陸政策は変えてないんだというふうに言っているわけですね。変えていないというところに、やっぱり「特殊な」というのをくっつけている、何かことがあるんじゃないかなというふうに思います。

山澤委員

 ひとつひとつにお答えしている時間はないと思うので、一番初めの行天座長の2つの点についてお答えして、他の皆さんへのお答えに代えたいと思います。
 ご質問の日韓の真のレベルでの話というのを、日韓の緊密化の議論はどの程度浸透して話をされているのかというふうに理解しますと、韓国で各界のリーダーのレベルでは、大体この種の話を積極的にサポートしてくれますが、一部の言論人、特に大学教授のシニアの人たちにはかなり反対が多いですね。日韓関係はもっと深い根があるのであって、そう簡単に変わるものかという言い方の人が大変多い。
 もう1つはメディアですが、私たちはこれを最初大変気にしました。メディアに書き立てられて、例えば日本のメディアに漁業問題はどうなるなんてやられると、もう一遍につぶされちゃいますから。韓国、日本とともにその点を心配したんですが、今のところは、韓国、日本ともに、主要な新聞は皆さん、大変理解を示してくださった。ただ中にはやはり慎重な対応が強いんですね。東京の韓国大使館の経済担当の公使は、私は一番後ろから歩いていくんだなんていうことを言う人ですが、なぜ、あなたは日本と韓国の経済の国境を取り払っちゃって1つにするなんていうことを言うんだ、2つ別々のほうがいいんだと言いましてね。ですから、上のレベルではかなり金大中さんと同じ方向に揃っているけれども、下のレベルにいくと、そうなかなか簡単には動かんということはあるだろうと。
 問題はビジネスの方で、私たちが今一番気にしているのは日本のビジネスで、特に経団連を中心とした人たちのレスポンスが大変悪い。もう対韓関係は勘弁してくれ、もうさんざっぱら懲りたからもう嫌だと。ただ、先程、近藤委員がおっしゃってくださったこと、それは確かに難しい問題があって、どの程度リアリスティックかというんだけど、それを超えて、もう5年、10年じゃない、20年、30年先を考えて、こういう方向に進めていかなきゃならないんだというふうに、日本の経済界が考えてくださることが必要ではないかと思うんですけれどもね。それは個々のそれぞれのビジネスの利害関係というのはあるでしょうが、経済関係だけではなくて、今はまさに政治的な意味も含んでくるわけです。日韓関係がうまくいかないというのは、日本のクレディビリティを落しめますよね。だから、その意味からもかなり大きく捉えてくださって、協力してくださることが必要ではないかと思うんですよね。
 2番目の質問の、日韓関係は経済的にどうなのか。今まで韓国はあまり日本に対して、競争意識丸出しで、あらゆる分野で日本と競争をしようとしてきましたよね。現実にはできないで、根っこのところはみんな部品などの輸入でまかなう形になっている。今度の危機でこのような対抗はあきらめてしまって、もう少し協力しなければいけない。とにかく日本は経済規模が5倍から10倍ですから、比較にならないわけで、やはり韓国としての現実的な作戦は、日本との協力体制の中に入って、しかもその中でちゃんとした取り分は確保してくれよということだろうと思うんですね。その取り分を認めるような度量を、日本の経済界に持っていただきたいということになるんじゃないかと思うんです。以上です。

岡本委員

 アメリカの日米安保への本質的なコミットメントが少なくなったんじゃないかというのは、こういう場ですから、若干プロボカティブに申し上げました。行天座長がおっしゃるように、それは世界全体についてのアメリカの政策の特徴だという面はあるかもしれません。ただ、やはり今のアメリカの政策、それから心配なのは、アメリカの政権の人的構成です。本当に対日理解者、日本に対する温かい思いを持ってくれている人というのが、今までに比べて随分少なくなっちゃたという感じは、私だけのものではないと思うんですね。
 アジア政策の専門家というのは、その意味で、どれだけの強い発言力を持っているのか。北朝鮮政策などは典型でありまして、コソボが始まる前と後では、彼らの政策というのはがらっと変わっちゃったですね。1月ぐらいまでは、アメリカは核拡散、ミサイル開発ということに対して、本気で北朝鮮を押さえ込もうとしていた。しかし、この間の核査察チームのやり方などから明らかであります。もちろん中に核物質があるところへ査察チームを呼ぶバカはいないので、それはないから呼ぶわけですね。ですから当然査察チームの任務というのは、土壌検査をし、残留放射能を調べる。しかし、そういうことは一切やらない。なかったから白だよと言って幕を閉じる。やっぱりあの間に、アメリカの外交努力がすべてコソボの方にいっちゃって、問題のマグネチュードからいって、それは致し方ないんでしょうけれども、その間に北朝鮮政策のバックボーンというものまで変わってしまうというのは、やはり私はおかしいと感じます。
 それから、1つだけ最後に、話題になっております中台関係ですが、私は特殊な国と国との関係と李登輝が言ったのは、何も引退間近で、今まで考えていたものが出てきたというようなことではなくて、かなり巧妙に計算した発言だったと思います。必要以上の反響を呼んでしまいましたけれども、李登輝にしてみれば、1つはもちろん選挙対策があるんでしょうね。このままでいったら連戦が負けますから、民進党の支持者を少しでも取り込むためにも、あっちの側の発言をしたということは当然考えられます。より本質的には、台湾の考え方、つまり中国と台湾が、1つの中国が分裂して分治されている。だから中国側のような、いわば吸収併合というような形で、今の中華人民共和国に台湾を取り込むことが「中国統一」ということではなくて、1つの台湾という名前の中国、1つの中華人民共和国という名前の中国、それをもとに戻すんだと。ただ、それは、当然、我々が中国と呼んでるところの中華人民共和国ではなくて、新しい中国になるんだと。この考え方というのは、実は、汪道涵なんかは、もう既にアドバルーンとして上げているわけですね、江沢民の先生でありますけれども。その台湾は、そこをもう少しテストしてみようということ、そういうストライク・ゾーンぎりぎりいっぱい、もちろん独立を宣言したわけではないので、中国はその発言を根拠に武力侵攻するなんていうことはあり得ない話でありますけれども、ぎりぎりのところで、テストしてみるというような動機もあったんだろうと思います。
 朝鮮半島情勢というのは、私は長期的に見れば、安定化の方向に向かうと思うんですね。今年より来年、来年よりは再来年というふうにはいきませんけれども、今よりは5年先、5年先よりは10年先のほうが安定しているんだろうと思います。そういたしますと、アジア地域でやはり一番の不安要因というのは中台関係だと思います。そこで結論はやはり、皆さんご指摘のように、アメリカのつれなさをなじってみても仕方がない話でありまして、アメリカとの政策協調をし、頼っていくということしかないという気がいたします。

行天座長

 ありがとうございました。今日も大変面白かったんですが、アジアの国が日本に対して、あるいは日本のイニシアティブに対してどう思っているかということについて、かなり違った意見が出ました。これは私は当たり前だと思うんですね。アジアの人は、日本人と話しているときは日本人のことをよく言うけど、他の国と会っているときは悪口を言うわけです。これは当然なので、「君、僕のことを好き? 嫌い?」と言ってみても、これは仕方がない。やっぱり大事なことは、本当に実体問題で、経済で、あるいは安全保障で、あるいは外交問題等々で、我々は共通の利害をシェアしている、あるいは相互依存の関係があるということをみんなにわからせるということが大事なので、形の上で好き嫌いを問い質しても仕方がないんじゃないかなという気が私はしていますがね。
 今日はどうもありがとうございました。



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