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文化外交(海外広報・文化交流)
国際シンポジウム
「21世紀の展望:対決の世紀を超えて」

討議趣旨(沖縄県)

 20世紀は、戦争の世紀であった。世紀の前半には二度の世界戦争によって、人類は未曾有の規模の人的・物的損害をこうむった。そして世紀の後半には冷戦が核戦争の恐怖とイデオロギーの対立の暗い影を世界に落とした。いま、世界はようやくそれらの争いを乗り越え、人権、自由、民主主義、市場経済といった考え方が定着しつつある。しかしながら、主要な国家間の紛争の危険は小さくなったものの、世界は内戦や民族紛争などの新たな課題に直面している。

 20世紀は、多くの夢を実現した世紀でもあった。科学技術の進歩と産業の発展により教育、医療、福祉、外国旅行、知識と情報へのアクセスや生活条件が向上し、それまで人類が半ば宿命とあきらめてきた飢餓や極端な貧困を先進諸国からは追放した。しかし、世界には一方でこの産業化の恩恵を享受できず貧困に苦しむ人々が依然圧倒的多数を占めるとともに、他方で産業化の進展は、環境問題や社会問題など、これまでにない試練を人類に突きつけている。

 20世紀はまた、多様な文化の世界的交流が始まった世紀でもあった。この世紀初頭には、西欧文化の優越が広く信じられ、非西欧世界にとって西欧の影響にどのように対処するかが深刻な問題であった。しかし、非欧米の地域で多くの国が独立し発展を遂げる過程のなかで、欧米の人々も非西欧世界のその伝統や多様性に対し高い評価や関心を示すようになり、互いの文化に対する尊敬や寛容さも広まった。他方、文化的背景を異にする人々が、日常的に交流する現代は、豊かな可能性とともに、これまでにない軋轢を生む可能性もはらんでいる。経済的、社会的、文化的に多様な人々が相互に交流する21世紀には、人権、民主主義といった普遍的な価値を守りつつ、多様性や伝統を尊重する態度が必要とされよう。

 本シンポジウムではまず、第1セッションで、21世紀に想定される世界の人々の安全を脅かす脅威の実態と、国家・社会・個人のあり方について討議する。続いて第2セッションでは、人類の貧困の克服の問題とともに、より豊かで、より公正な社会を実現するには何が必要か、途上国と先進国の双方の視点をふまえ、論ずる。最後のセッションでは、二つのセッションを受けて、人類がこれまでに築きあげてきた成果をさらに発展させ、平和で豊かな世界の実現に向け、21世紀の世界のあり方を、できるかぎり具体的に自由に討議する。21世紀を担う次世代の人々に示唆と勇気を与える未来志向的な議論としたい。

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