6.内容: |
近年の国際社会で「紛争予防」の概念が改めて見直されている。冷戦後の国連や地域機関における様々な試みを経て、紛争予防の概念の変化や、多様な主体の連携関係の在り方など新たなテーマが浮上したからである。本シンポジウムでは、冷戦後の「紛争予防」概念の推移を踏まえつつ、学術・実務の両面からから総合的な検討が試みられる。
本シンポジウムの焦点となるのは以下の二つのテーマである。第一に、紛争予防の諸段階に着目し、各段階における効果的な紛争予防のあり方について議論を深める。これを「包括的紛争予防」という概念で提示する。第二に、国際機関(国連)と各地域(欧州/アフリカ/アジア)における紛争予防の試みと実態を分析し、それぞれの有機的な連携関係について議論する。また紛争予防と紛争に対処する枠組も、国家、地域組織、国際機関等に加え、企業やNGOといった非政府主体がかつてないほどの役割を果たすようになってきている。こうした非伝統的なアクターが紛争予防においていかなる役割を果たしうるのか、また伝統的アクターとの関係はいかにあるべきか、これらのテーマが総合的に検討される。 |