(1) |
サウジアラビア
(イ) | シンポジウム(9月20日、21日)
(i) |
テーマ:「日本・サウジアラビア関係、伝統と開発」
場 所:キング・ファイサル・センター |
(ii) |
出席者及び講演テーマ
(a) |
日本側
・山内団長:「日本とアラブ世界との対話~グローバリゼイション時代のアジアからのアプローチ」(基調報告)
・根本最高顧問:「伝統と開発」
・森本院主:「中東報告」
・北岡教授:「伝統と開発~日本の経験」 |
(b) |
サウジアラビア側
・ムハンマド・アルルバイウ・イマーム大学副学長:「日本のおけるアラブ及びイスラム研究支援に係るサウジアラビアの努力」(基調報告)
・アブダッラー・アルバーティル・キングサウード大学助教授:「日・サウジアラビア経済協力」
・サミール・イマーム大学助教授:「日本におけるアラブ-イスラム文化の要素過去と現在」
・アブダッラー・イブン・サーリフ・アルハムード電子技術校所長:「JICAとの技術協力における技術教育職業訓練庁の経験」
・アブダッラー・アルヤヒヤ・イスラム事項高等評議会事務総長補佐:「日本におけるイスラム世界への理解の努力」 |
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(iii) |
内容
日本側より「伝統的価値と近代化の問題」、「文明間の対話、文明・文化の融合」、「明治以来の我が国の経験」、「人間開発・教育の重要性」、「寛容性」といった問題提起を行いました。サウジアラビア側からは、経済協力及び学術交流等をはじめとする日・サウジアラビア関係に関する実績紹介が行われました。サウジアラビアにおける「公開シンポジウム」というこれまで余り例のない試みとして、サウジアラビア側のみならず各国大使館より大きな注目を集めました。 |
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(ロ) | 女性セミナー(9月20日)
(i) |
テーマ:「グローバル時代の女性」
場 所:キング・ファイサル・センター
主催団体:ナハダ女性協会(女性のための福祉、職業訓練、教育促進等の活動を中心に活動している大手慈善団体) |
(ii) |
講演者:森英恵氏(デザイナー) |
(iii) |
内容
サウジアラビア人女性を対象としたセミナー。森氏講演後の質疑応答では、デザイナーの職業、女性の生き方、日本とサウジアラビアの文化の比較等多岐にわたる質問が会場からよせられ、予定時間を大幅に上回る盛況ぶりでした。 |
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(ハ) | 主な個別表敬
(i) |
サルマン殿下(リヤド州知事)
日・サウジアラビア間の相互理解の促進、異文化・文明間の交流強化の必要性、反自爆テロのサウジアラビアの立場、パレスチナ問題の公正な解決の重要性等について意見交換を行いました。同殿下の大変開かれた対応が印象的でした。 |
(ii) |
ムハンマド・ファイサル殿下(ファイサリア・グループ社長)及びバンダリ妃殿下(女性NGOキングハーリド慈善財団事務局長)
国際社会における中東地域のあり方、国際テロ、パレスチナ問題、サウジアラビア内政の抱える諸問題、宗教観等多岐にわたり活発な意見交換が行われました。ムハンマド殿下の発言は開明的かつ洞察力、分析力に富んでおり、また女性であるバンダリ妃殿下も一行と極めて率直な意見交換を行いました。 |
(iii) |
シャッタ諮問評議会副議長
同副議長の他、複数の諮問評議会議員から、異口同音に日本・サウジアラビアの技術分野での交流(自動車整備訓練学校等)が評価され、交流レベルのさらなる高度化を望む意見が出されました。 |
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(2) |
イラン
(イ) |
シンポジウム(9月23日)
(i) |
テーマ:「伝統と近代化:共存・融和の可能性」
場 所:文明間対話国際センター図書館 |
(ii) |
出席者及び講演テーマ
(a) |
日本側
・山内団長:「日本とイランとの対話~グローバリゼイション時代の日本からのアプローチ」(基調報告)
・根本最高顧問:「伝統と開発」
・森本院主:「中東報告」
・北岡教授:「伝統と開発(近代化)」 |
(b) |
イラン側
・モハンマドレザー・ベヘシュティ・テヘラン大学人文学部教授(宗教学)(基調報告)
・レザー・シャーバーニー・ベヘシュティ大学歴史学部教授(歴史学):「歴史とモダニズム」
・タギー・アーザードアルマキー・テヘラン大学科学部教授:「イラン・モダニズムの根本的議論」
・ヤードッラー・ダードギャル教員養成大学経済学部教授(経済学) |
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(iii) |
内容
日本側から歴史に基づいた現実的観点から近代化の経験・分析を行い、教育の重要性につき指摘しました。イラン側からは「近代化とは何か」、「伝統とは何か」といった基本的認識にかかわるプレゼンテーションが行われました。サウジアラビア同様、イランでこの種のシンポジウムを開催するのはほとんど前例のない試みでした。
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(ロ) | 主な個別表敬
・アブタヒ副大統領
イラク戦争、暴力の非合法性、中東における諸問題と宗教の関係につき意見交換が行われました。また、同表敬には同副大統領夫人であるムーサヴィーネジャード宗教間対話センター所長も同席しました。
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(3) |
シリア
(イ) | シンポジウム(9月25日)
(i) |
テーマ:「伝統と近代化」
場 所:高等教育省 |
(ii) |
出席者及び講演テーマ
(a) |
日本側
・山内団長:「日本とアラブ世界との対話~グローバリゼイション時代の日本からのアプローチ」(基調報告)
・根本最高顧問:「伝統と開発」
・森本院主:「中東報告」
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(b) |
シリア側
・シャッラーフ・シリア商業会議所連盟会長(基調報告)
・タイイブ・ティージーニー・ダマスカス大学哲学学科教授
・サラーッフッディーン・キフタロー・アブーヌール学院総長 |
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(iii) |
内容
両国のパネリストがそれぞれの専門分野を踏まえた報告を行いました(シリア側も、経済界、学界、宗教界からそれぞれ参加)。報告後の意見交換では、シリア側より中東における日本の役割、パレスチナ問題等につき質問がなされ、率直なやりとりが行われました。また、シンポジウム終了後、代表団一行に対し、二国間関係のみならずパレスチナ問題やイラク情勢につき、テレビ・インタビュー及び新聞記者の取材が長時間にわたり行われ、本件シンポジウムに対する関心の高さが伺われました。 |
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(ロ) | 主な個別表敬
(i) |
ムルタダ高等教育相
最近行われた組閣で高等教育相に就任したこともあり、まず日本側より大臣就任の祝辞を述べ、続いて日本・シリア間の学術交流や大学間交流の強化につき意見交換を行いました。 |
(ii) |
シリア共和国ムフティ・キフタロー師
シリア宗教界の最高権威者キフタロー師を表敬し、大量兵器破壊問題、パレスチナ問題やイラク情勢につき意見交換を行いました。同師の案内の下、モスクにおいて金曜日の礼拝のために集まった約3000人のイスラム教徒の前で代表団一行が挨拶を行う機会を与えられたことは、異例なことでした。 |
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(4) |
エジプト
(イ) | シンポジウム(9月29日)
(i) |
テーマ:「日本とエジプト、グローバリゼーションのインパクト」
場 所:カイロ大学学生寮付属会議センター |
(ii) |
出席者及び講演テーマ
(a) |
日本側
・山内団長:「日本とアラブ世界との対話~グローバリゼイション時代の日本からのアプローチ」(基調報告)
・根本最高顧問:「グローバリゼーションのインパクト」
・森本院主:「中東報告」
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(b) |
エジプト側
・ホダ・メトキース・カイロ大学アジアセンター副所長(基調報告)
・ムスタファー・エル・サイード・カイロ大学開発途上国センター長
・ハリール・ダルウェイーシュ・カイロ大学政経学部教授
・ムハンマド・イブラヒーム・デスーキー・アル・アハラーム紙外信部副部長 |
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(iii) |
内容
他と異なり「グローバリゼーションのインパクト」というテーマで議論を行いました。質疑応答では、グローバリゼーションのマイナス面だけではなくプラス面の重要性についても議論されました。 |
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(ロ) | 主な個別表敬・アポイント
(i) |
アニス・マンスール・アル・アハラーム紙論説委員
中東和平問題、サダト大統領とムバラク大統領の政策の違い、グローバリゼーション、エジプトの国内問題等につき意見交換が行われました。当地有力紙の論説委員、国会議員、作家そしてサダト前大統領のゴースト・ライターという経歴をもつマンスール論説委員の種々の経験に基づくものの考え方が示されました。
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(ii) |
オベイド首相
オベイド首相より、日本のこれまでの経済協力に対し感謝するとともに今後、農業、商業、医療及び観光分野における協力や技術移転を希望している旨言及がありました。日本側からは経済協力に加えて、教育、文化交流や対話の重要性を強調しました。
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(iii) |
カマル・アブル・マグド・アラブ連盟文明間対話担当コミッショナー
カマル・コミッショナーより、グローバル化に伴う国境を越えた諸問題の発生(「敵」)やエゴイズムを指摘、これら悪影響の解決には他者を理解しようとする姿勢が必要である旨言及し、対話を通じた相互理解の重要性につき日本側と同様の見解が示されました。その他、教育の重要性やそれぞれの価値を尊重し合う必要性につき意見交換が行われました。
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(iv) |
タンターウィ・アズハル総長
タンターウィ総長より、パレスチナ問題やテロ行為等、中東で現在発生している諸問題につき、宗教及び人の理性の観点を踏まえた発言がありました。 |
(v) |
カイロ・アメリカン大学/フランス東方学研究所視察
・カイロ・アメリカン大学
1919年創立されたエジプト最初の私立大学。米国の一般教養教育(liberal arts)及び専門知識教育を目的として設立。現在の学生数は約5000人(80%がエジプト人)。中東地域において有数のアラビア語学科もあり、多くの日本の学生が籍をおいています。なお、先方の説明によれば、ドイツはエジプトに約30の高校レベルの教育機関を有しており、この程大学をカイロに発足しました。
・フランス東方考古学研究所視察
1880年創立されたエジプト唯一の外国の研究機関。約1世紀前から、独自の印刷所を研究所内に設置しており、ヒエログリフの活版の作成も行われています。その他、多数のイスラム関連の蔵書を保有している図書館もあります。 |
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