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文化外交(海外広報・文化交流)

第2回対中東文化交流・対話ミッション
(概要)


平成16年9月21日


 第2回中東文化交流・対話ミッション派遣を実施したところ、概要以下のとおり。

1.ミッション団員

団  長: 山内 昌之 東京大学教授
団  員: 田波 耕治 国際協力銀行副総裁
  五百旗頭 真 神戸大学教授
  山下 泰裕 東海大学教授
  榎原 美樹 日本放送協会バンコク支局特派員


2.日程及び訪問地

(1)9月9日(木)~9月18日(土)

(2)ヨルダン、イラン

3.目的及び経緯

(1) 昨年5月の小泉総理のサウジアラビア、エジプト訪問の際、イスラム世界との相互理解を増進し、安定した関係を構築・維持していくことに合意された。これを受け、我が国と中東諸国の文化交流・対話の促進を目的に第1回ミッションを昨年9月~10月に派遣し、「伝統と近代化」というテーマの下、各地でシンポジウム、対話を行った。

(2) 今回のミッションは、第1回ミッションが端緒を開いた対話を継続することにより、伝統的価値と近代化の相克に係る我が国の経験に対する理解をさらに深め、中東諸国が現在直面する問題の解決に資するとともに、両者間の幅広い層における相互理解の促進を通じて、我が国の対中東外交の基盤を強化することを目的として派遣された。

4.ヨルダン

(イ) シンポジウム(9月12日、於:王立文化センター内会議ホール)
(i) 出席者及び講演テーマ
(a) 日本側
山内教授:「日本・ヨルダン関係と拡大中東構想-文化交流の観点から」
五百旗頭教授:「日本と西洋文明」
田波副総裁:「日本の経済発展と文化」
山下教授:「柔道を通じた国際交流」
榎原特派員:「報道におけるアイデンティティーとジェンダー」
(冒頭挨拶:小畑在ヨルダン大使、小瀧国際交流基金理事)
(b) ヨルダン側
ハーティブ前外務大臣:穏健主義に基づくヨルダンの外交と民主化
アワダッラー計画・国際協力大臣:ヨルダンの社会・教育改革
オスマーン・ヨルダン大学社会学教授:「ヨルダン社会の諸局面」
サッバーグ・ヨルダン女性委員会事務局長:「ヨルダンの女性問題」
(冒頭挨拶:ムアッシャル外務大臣、総括:カスラーウィ・ヨルダン外交研究所所長、アブー・ニマー王立諸宗教研究所所長)
(ii) 内容
 ヨルダン側からは現職の外務大臣や計画・国際協力大臣が参加したほか、200名近い聴衆からも活発な質問提起がなされるなど、「伝統と近代化」をテーマにした今回の試みに対する官民挙げての高い関心が示された。我が国が伝統的な価値を維持しながらも経済発展を成し遂げたこと、また、中東問題で公平中立な態度を保っていることに対するヨルダン側の高い評価とともに、我が国の経験に学びつつも我が国の中東地域への一層の積極的関与を期待するヨルダン側の雰囲気が感じられたほか、両国間の協力関係が我が国と他の中東諸国との協力のモデルとなるよう、今後も対話を継続し相互理解を深めていくことが重要という点で双方の参加者の意見は一致した。


(ロ) 山下教授による柔道指導(9月11日)
(i) 場 所: フセイン・スポーツシティ
主 催: ヨルダン柔道連盟
(ii) 内容
 ヨルダン人柔道家約60名を対象として、山下教授により講演や実技指導が行われた。女性も含め、小学生から大学生、コーチに至るまで幅広い年齢層が参加し、有意義な交流・技術指導の機会となった。


(ハ) 要人表敬
(i) ハッサン王子(9月11日、於:ラガダーン宮殿)
 拡大中東構想、地域内での対話の必要性、中東和平問題、イラク問題等につき、予定の表敬時間を大幅に超えて意見交換を行った。同王子は、各メンバーの関心事項に応える形で、時に哲学的な議論も交えつつ知的示唆に富んだ意見を述べ、表敬は終始和やかに行われた。
(ii) ハダル政府報道官兼文化大臣代行(女性)(9月13日、於首相府)
 両国間の文化交流、中東問題への取り組み、女性の社会進出、イスラム過激派・原理主義者への対策等について意見交換を行った。


5.イラン

(イ) シンポジウム(9月15日、於:シーモルグホテル)
(i) 出席者及び講演テーマ
(a) 山内教授:「日本の『文明化』と帝国憲法-政府指導者のヨーロッパ旅行を中心に」
 (他のメンバーについては、ヨルダンでのシンポジウムに同じ)
 (冒頭挨拶:堂道在イラン大使)
(b) イラン側
 モティーエ・イスラム自由大学社会学部教授
 モウメニー・アッラーメ・タバタバイ大学経済学部教授
 サーデギー・イスラム自由大学政治学部教授
 ソルターニーファル・「イラン・ニューズ」発行責任者
 アミールホセイニ体育庁長官顧問
 (冒頭挨拶:ボルージェルディ文明間対話国際センター所長、司会進行:マヌーチェフリー同センター政治部長)
(ii) 内容
 シンポジウム当日は、種々の制約に加えて平日ということもあり、聴衆は約80名にとどまったものの、その半数以上が女性によって占められていたことは印象的であった。昨年の第1回シンポジウムでは、イラン側の発表が伝統や近代化の概念に関する抽象的な議論にとどまっていたのに対し、第2回となる本年は、両国の近代化において政治指導者が果たした役割の比較等、先方の問題意識がより具体的な形で明らかにされたほか、我が国が伝統的な価値を維持しながらも経済発展を成し遂げたことに対するイラン側の肯定的な評価も聞かれ、率直な、かなり踏み込んだ意見交換を行うことができた。今後も両国間の対話を継続し、幅広い層における両国民の相互理解を深めていくことの重要性が指摘された。

(ロ) 山下教授による柔道指導(9月16日)
(i) 場 所:イラン柔道連盟付属道場
主 催:イラン柔道連盟
(ii) 内容
 小学生からコーチまでを含むイラン人柔道家約100名を対象として、山下教授により講演や実技指導が行われた。会場には300人近い観客が詰めかけ、現地の柔道への関心の高さが伺えたとともに、スポーツ交流を通じた有意義な相互理解の機会となった。


(ハ) 主な要人表敬
(i) アブタヒ副大統領(9月14日)
 伝統と近代化、イラン国内の政治改革、テロの問題等につき意見交換が行われた。現代の世界に適応する上で近代化が重要である、改革は国民に支持を受けておりその流れは変わらない、イスラムは平和を求めテロを否定している等の率直な発言が印象的であった。
(ii) メフルアリーザーデ副大統領兼体育庁長官(9月14日)
 主にスポーツを通じた交流や平和の実現について意見交換を行った。
(iii) ショアイー文化・イスラム指導省次官(9月14日)
 先方より、芸術、出版、映像といった分野でのさらなる協力の希望が表明された。




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