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軍縮・不拡散


2003年生物兵器禁止条約(BWC)締約国会合(概要と評価)

平成15年11月18日


  1. 11月10日~14日、生物兵器禁止条約(BWC)の第1回年次締約国会合がジュネーブにおいて開催され、我が国を含む96ヶ国が公式参加した。

  2. 今次会合は、過去7年間に亘って行われた「条約強化のための検証議定書」交渉が中断したことを受け、昨年11月に再開された第5回運用検討会議の再開会合において合意された3か年の「作業計画(*)」に基づき開催された初めての年次締約国会合であり、トット・ハンガリー大使(東欧グループ代表:注 BWC締約国は西側、東側、NAMの3グループに分かれている)を議長として、本年の議題である(i)条約の国内実施措置及び(ii)病原体・毒素の安全管理等(バイオセキュリティ)が討議された。

    【3か年作業計画】
    締約国は、2006年の次回運用検討会議に向け、毎年、締約国年次会合及びその準備のための専門家会合を開 催し、条約の強化に関する以下の5分野について、順次検討し、共通の理解と実効的な措置を促進していく。
    1. 条約の禁止事項を実施するための国内措置
    2. 病原体・毒素の安全管理・管理体制を確立・維持するための国内措置(バイオセキュリティ)
    3. 生物兵器の使用の疑惑及び疑義のある疾病の発生に対処し、調査・被害の緩和を行うための国際的対応能力の強化(危機対処)
    4. 感染症の監視・探知・診断に対処するための国内・国際的努力の強化(感染症サーベイランス)
    5. 科学者のための行動規範

  3. 今次会合に先立ち、本年8月に2週間に亘り専門家会合が開催され、本年の議題につき専門的・技術的観点から議論を深め、今回の締約国会合に向けた下地作りを行った。

  4. 今次会合においては、8月の専門家会合の成果を踏まえた議論が行われ、(イ)今後各国がその国内制度の差異に拘わらず本年の議題である2分野の強化に取り組んでいくとのコミットメントを確認し、(ロ)2006年の運用検討会議でその進捗振りをレビューすることに合意する報告書を採択した。(仮訳(抄)別添

  5. 今次会合には、我が国より猪口邦子軍縮代表部大使及び中井一浩外務省生物・化学兵器禁止条約室長等が出席した。我が国は、各国政府が8月の専門家会合の成果を踏まえ、本年の議題である2分野の強化に真摯に取り組んでいくとのコミットメントを表明することが必要との立場をとるとともに、最終文書を巡る調整過程において議長及び主要国に対し働きかけを行い、合意形成に貢献した。また、我が国代表団は、各国の国内法整備支援のため我が国のBWC国内実施法に関するワーキング・ペーパーの提出や各議題毎のプレゼンテーションを行って、議場での活発な議論に貢献した。

  6. 2004年の会期については、南アフリカ(NAMグループ代表)の議長の下で、7月19日~30日に専門家会合、12月6日~10日に第2回年次締約国会合がそれぞれ開催されることが決定した。なお、来年の議題は、上記「作業計画」に基づき、(iii)危機対処及び(iv)疾病サーベイランスが予定されている。
     また、2005年の議長国に英国(西側グループ代表)が選出された。


    関連HP:http://www.un.org/disarmament/WMD/Bio/BioSecondPageBWC.shtml(国連HP内のBWC関連ページ)
        http://www.opbw.org/(BWCの公式HP。各会合の成果文書を入手可能)



2003年BWC締約国会合報告書(抄)
(Part II:実質的討議内容の総括部分)
-仮訳-


  1. 2003年11月10日から14日にかけて、以下の事項について議論し、共通理解及び実効的措置を促進するため、BWC年次締約国会合が開催された。
    ―BWCによる禁止事項の実施のために必要な国内措置の採用(罰則規定を含む)
    ―病原性微生物及び毒素の安全管理・監視を確立し維持するための国内メカニズム

  2. 今次会合の準備として、2003年8月18日から29日に開催された専門家会合が開催され、今次議題に関する措置が詳細に協議された。右専門家会合には、83ヶ国が参加し、その結果まとめられた報告書及び2つの付属文書(提出された作業文書、プレゼンテーション、演説及び議長が入手可能であった資料を含む)は、議長にとって有意義であった。

  3. 今次年次会合において、締約国は、151締約国間の国内法・制度の差異にも拘わらず、同一の基本的アプローチを採用し、共通原則を共有していることに留意(note)した。締約国は、BWCの強化及び実施という条約上の義務及び責任の一環として、国家レベルの活動への取り組みの必要性を強調(stress)し、以下の事項の重要性に同意(agree)した。

    ―BWCによる禁止事項の効果的な実施を確保し、病原体及び毒素の効果的な安全管理を強化するための国内法制(取締法令及び罰則を含む)の見直し、要すれば制定及び改訂。

    ―異なる法・制度を有する締約国間の協力の積極的効果。協力の実施が可能な立場にある締約国は、国内実施措置及びバイオセキュリティーの分野で、自国の法制及び管理体制を整備/拡大するため協力要請を行う締約国に対し、法的及び技術的支援を行うことができる。

    ―病原体の安全管理とその平和的目的で使用を管理するための包括的且つ具体的な国内措置の必要性。危険な物質を、BWCに反する目的で悪用する可能性のある人物にアクセスさせないことを確保するバイオセキュリティ措置及び手続きの重要性が広く認識された。

  4. 締約国は、今次会合で議論されたこれらの措置の重要性に関する合意につき、条約の効果的実施及び施行を促進する基本的成果であると同時に、2006年の運用検討会合において進捗状況をレビューする基礎となることを認識した。



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