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平成22年版外交青書(外交青書2010)の刊行に当たって

2009年は、日本にとって政権交代という大きな変化を迎えた1年でした。私は外務大臣に就任するに当たり、この大きな機会をとらえ、国民の理解と信頼に支えられた力強い外交を実現していきたいと強調しました。このため私は、第一に現場を知ること、第二に常に原点に立ち返り検討すること、第三に分かりやすい言葉で国民の皆さんに伝えること、という三つの原則を特に重んじてきました。この度刊行いたします平成22年版外交青書(外交青書2010)は、2009年の日本を取り巻く国際情勢や日本外交の軌跡を正確な記録として留めるとともに、国民の皆様に分かりやすく説明する役割を担っています。

国際社会は、新たな協調の時代を迎えています。その中で、国際社会が一致して取り組むべき、核軍縮・不拡散、気候変動、海賊・テロ問題、世界経済の回復、開発途上国への支援などの地球規模の課題が山積しています。日本は、今まさに積極的に行動し、構想を示すこと、それによって世界の期待に応えることが求められています。多極化する世界の中で、国際的な合意形成メカニズムの再構築に積極的に関与することは、日本の重要な役割の一つです。また、日本が国際社会で意味のある役割を果たすためには、二国間関係のみならず、地域、国際機関等との連携が必要です。2010年も、日本は国際社会が直面する様々な課題や問題に正面から取り組み、積極的な外交を展開してまいります。

今年の外交青書では、新たに「要約」を設け、外交青書全体の概要をわかりやすく記載するとともに、第1章において、「2009年の国際情勢と日本外交の展開」と題し、2009年の国際情勢と日本外交の取組みを振り返ります。第2章では「地域別に見た外交」、第3章では「分野別に見た外交」として、2009年の外交活動や国際情勢を記録しています。また、第4章「国民とともにある外交」では、世界で活躍する日本人や日本企業とそれを支援する外務省の取組み、地方自治体との連携や外交実施体制の強化など、総合的な外交力強化に向けた取組みについて説明しています。

私は、新たな国際協調の時代にあって、外務省の総力を結集し、人々が将来に希望を抱くことができる日本外交を展開していく決意です。ここに刊行します外交青書が、国際情勢と日本外交について国民の皆様に分かりやすくお伝えする一つの機会として、国民の理解と信頼に支えられた力強い外交の実現につながることを期待しています。

平成22年4月

外務大臣 岡田克也
外務大臣 岡田克也