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予算、機構、定員面の強化 |
外務省の2007年度予算においては、[1]「日本外交の基礎体力の強化」(外交実施体制の強化、日本の国際貢献等を担う層の拡充、情報収集・分析機能の抜本的強化)、[2]「国民の安全の確保と繁栄の促進」(我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保、我が国・国民の繁栄の促進、エネルギーの安定供給確保)、[3]「アジア外交の強化と望ましい国際環境の確保」(アジア外交の積極的推進、地域外交における幅の拡大、日本外交の深化によるグローバルな課題への対応)、[4]「日本の魅力とメッセージの積極発信」(戦略的な情報発信、文化外交の積極展開)を重点外交政策の4本柱とする総額6,709億円(対前年度比2.9%減)を計上した。
また、2007年度の補正予算では、[1]対アフリカ平和構築・人道危機対策拠出金、[2]アフガニスタン人道・復興支援拠出金、[3]世界エイズ・結核・マラリア対策基金拠出金、[4]鳥及び新型インフルエンザ対策拠出金、[5]国連及び国連平和維持活動(PKO)分担金、などについて合計2,078億円を計上し、緊急性が高く、義務的または外交上の必要性が高い事項に対応した。
在外公館は、海外において国を代表し、情報収集、邦人保護、関係促進などの分野で重要な役割を果たす外交力の源泉である。外交実施体制の基礎的な体力を強化するためには、その拡充を図ることが不可欠である。2007年度には6大使館(マラウイ、ボツワナ、マリ、リトアニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ミクロネシア)及び2事務所(ナッシュビル(米国)、バンガロール(インド))が開設され、2008年度1月1日現在における日本の在外公館(実館)数は、大使館123、総領事館64及び政府代表部7の合計194となった。2008年度には、5大使館及び2総領事館が新設される予定であり、日本の大使館数は、128となる見込みである。しかしながら、この大使館数は、ドイツの148、フランスの158、中国の164、米国の164と比べても依然として非常に小さいものである。外務省としては、外交力の強化に向け、引き続き在外公館の増強に取り組む考えである。
さらに、在外公館の増強を実のあるものにするためには、定員の増強も重要である。2007年度においては、国民の安全の確保と繁栄の促進、アジア外交強化と望ましい国際環境の確保、在外公館を中心とした外交力強化等を目指して合計51人の増員を行い、定員数は合計5,504人(外務本省2,166人、在外公館3,338人)となった。この人員数は、例えば、英国、ドイツの7,000人以上の体制と比しても十分とはいえないため、外務省としては、政府全体での厳しい予算・定員事情の中で、事務合理化等により既存定員の再配置に努めつつ、人員の増強を図っていく方針である。2008年度においては、合計99人の増員を行う予定である。
主要国の中でも非常に少ない日本の在外公館数
2007年度 重点外交政策のための主な予算措置
2007年度 外務省所管予算