第5節ロシア、中央アジアとコーカサス |
ロシアでは、原油高に支えられた好調な経済等を背景にして、自信回復とナショナリズムの高揚、「大国ロシア」復活の志向が見られた。プーチン大統領は、12月に行われた国家院(下院)選挙において、自らが候補者名簿の筆頭となった与党「統一ロシア」の圧勝を受け、側近のメドヴェージェフ第一副首相を後継指名し、自らは首相に就任する意向を表明しており、その影響力の確保に努めている。
日露関係においては、首脳・外相間をはじめとし、様々なレベルでの政治対話が頻繁に行われているほか、両国間の経済関係が順調に発展する等、「日露行動計画」(注1)に基づいて幅広い分野で協力が進んでいる。日露関係をより高い次元に引上げるための努力を行うとともに、日露間の最大の懸案事項である北方領土問題を解決すべく、ロシア政府との間で強い意思をもって精力的に交渉を行っている。
豊富なエネルギー資源やユーラシアの中央に位置するという地政学的理由を背景として、中央アジア・コーカサス諸国(注2)に対する国際的関心が高まりつつある中、日本は、2006年8月の小泉純一郎総理大臣のカザフスタン及びウズベキスタン訪問等によって内外に示された当該地域への積極的関与の姿勢を維持しつつ、「中央アジア+日本」対話の下での協力の着実な推進や、各国首脳の訪日招聘、日本政府要人の派遣等を通じ、一層の関係強化に努めた。