微笑みのかけ橋~日タイ修好120周年~ |
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2007年、日本とタイは外交関係を樹立してから120周年を迎えました。両国では、この120周年を祝うとともに、官民を交えて今後の一層の関係強化に繋げていくため、記念事業実行委員会が設立され、日本国内のトップアーティストによる和太鼓の公演や総合的な日本文化紹介を行う日タイ・フェスティバル、両国の経済関係に関して将来を展望するシンポジウムをはじめとする様々な記念事業が実施され、その総数は1年を通じて合計340件にも上りました。両国の実行委員会では、多くの方々に日タイ修好120周年を知って、積極的に参加してもらうために様々な広報を行ってきました。ここでは日タイ修好120周年のロゴマークとキャッチフレーズについて紹介したいと思います。
皆さんは日タイ修好のロゴマークやキャッチフレーズと聞いてどのようなものをイメージするでしょうか。今回、実行委員会は、アイデアを広く募るため、日タイ両国で公募を行い、総数103件もの応募がありました。多数の応募があったこと、また、作品の一つひとつから、日タイ関係について皆さんが様々な思いを持っていることが伝わってきたことは非常に嬉しいことでしたが、反面、日本とタイの実行委員が全く異なる作品を候補に選んだ場合、双方で納得できる作品にまとめられるだろうか等、応募された作品の中から一つだけを選び出す必要があることを考えると容易なことではないと感じました。 しかしながら、こうした心配は全くの杞憂でした。実際の選出過程では、驚く程、日タイ双方の評価が一致しました。ロゴマークについては、日本の桜とタイのゴールデンシャワーという両国を代表する花を意匠に用いた作品に各委員から最も高い評価が与えられました。 ゴールデンシャワーは、タイ国内では「ラーチャプルック」と呼ばれており、夏季になると大きな枝いっぱいに黄色の花が垂れ下がる姿が印象的な国花です。また、プミポン国王陛下の御誕生日の色が黄色であることから、タイでは幸福の花としても親しまれています。日本ではあまり馴染みのない花ですが、実は、600年前のアユタヤ王朝時代からタイと長い交流の歴史を有している沖縄では見ることができます。一方、桜については、タイを含む海外で日本をイメージさせる花として広く知られており、最近では、タイから花見のために来日するツアーも人気を集めているようです。 キャッチフレーズには「微笑みが心をつなぐ愛のかけ橋」が選ばれました。修好120周年の交流を通じて日タイ両国にかけられた微笑みのかけ橋は、今後は両国の将来につながる友好の橋として更なる役割を果たしていくものと期待しています。
日タイ修好120周年記念事業実行委員会委員長 安居 祥策 |