(4)食 料
日本は、熱量ベースで、食料供給の約6割を海外に依存し、年間約4兆円以上の農産物を輸入する世界最大の農産物純輸入国である。また、世界の食料需給は、人口増加に伴い需要が増加する一方、水資源不足、地球温暖化の影響などにより、供給にも中長期的に多くの不安定要因がある。日本は、このような中、日本を含めた世界の食料安全保障を実現するため、国連食糧農業機関(FAO)等関係する国際機関との連携の強化、食料供給国との友好関係の促進等に取り組んでいる。
日本の国際機関への貢献の一例として、財政状況の悪化しているFAOに対しては、関係国と連携しつつ、理事会等の場において、財政改善の重要性を強力に主張してきた。また、穀物、コーヒー等一次産品に関する情報交換、需給関係の安定を目的とした関連国際機関の活動にも参加してきた。国際穀物理事会(IGC)の事務局長には、1月に日本の北原悦男候補が選出され、2月から就任した。
さらに、日本は、世界における食糧安全保障の確立に向けて、特に食糧が不足しているアジア・アフリカ地域の開発途上国の貧困農民や小農に対し、食料生産の向上に向けた途上国の自助努力への支援等を実施している。 |