第3章 分野別に見た外交 |
(2)海賊対策
日本は、四方を海に囲まれた海洋国家であり、石油や鉱物等のエネルギー資源の輸入のほぼすべてを海上輸送に依存しているが、特に石油はほとんどすべてが東南アジアの海上を通過している。アジアにおける海上の安全確保は、日本の海上輸送にとって重要なだけでなく、この地域全体の安定と経済の発展にも極めて重要である。 東アジアは依然として海賊行為等の最多発地域となっているが(図表「海賊事件報告件数」参照)、その関係では「アジア海賊対策地域協力協定」が9月4日に発効した(日本は2005年4月に締結)。また、11月に開催された同協定第1回総務会において、同協定に基づく国際機関である情報共有センターが設立され、同センター初代事務局長に伊藤嘉章国際連合日本政府代表部公使が選出された。今後、同センターを通じてアジア地域における海賊情報の共有体制や各国協力網が整備されることとなる。 |
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