第3章 分野別に見た外交 |
(3)経済・社会分野
経済・社会分野においても、「法の支配」の観点を重視することは日本の利益に資する。例えばWTOにおいては、WTOの下で設けられた紛争解決手続がWTO加盟国からの信頼を得て効果的に機能しており、日本もこれを積極的に活用し、自らの立場を主張し具体的紛争を解決してきている。また、日本が推進しているWTOにおける交渉や、各国・地域とのEPA/FTA、租税条約、社会保障協定、投資協定等の締結は、多角的な自由貿易や投資のルールを整備することで透明性を高めるとともに、諸外国とのルールに基づく経済面での結びつきを強化するものである。このような取組により、一層の予測可能性・安定性のある環境の下、貿易・投資や、日本国民及び企業の海外における活動が一層拡大、円滑化することが期待される。加えて、日本は、環境・人権・文化・スポーツといった様々な分野においても積極的に国際ルールづくりを主導し、日本にとっても有益な国際環境の形成に努力している。例えば、2006年には日本が積極的に交渉に参加してきた強制失踪条約や障害者権利条約が採択された。 |
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