第3章 分野別に見た外交 |
(3)原子力の平和的利用のための国際的な枠組み
原子力の平和的利用の促進は、国際的な核軍縮及び核不拡散を確保する上で極めて重要である。原子力の平和的利用のためには、核不拡散に加えて、原子力安全及び核セキュリティー(核テロ対策等)の確保も不可欠であり、国際社会においてはこれらを確保・強化するための枠組みが設けられているが、日本はこうした国際的な取組を積極的に支援している。 拡大する世界のエネルギー需要や地球温暖化防止の観点から、近年世界的に原子力に対する評価が高まっており、アジアにおいても、原子力発電の新規導入や拡大を検討する国が増加している。このような「原子力ルネサンス」と称される流れの中で、原子力先進国である日本は、関係国が核不拡散、原子力安全及び核セキュリティーを確保できるよう、様々な支援・協力を行っている。 また、核不拡散等の要請と両立し得る原子力技術開発のためのイニシアティブとして、日本は、米国の「国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)」などに積極的に参加している。 2006年には、日本と欧州原子力共同体(ユーラトム)加盟国との間の原子力の平和利用を促進するための「日・ユーラトム原子力協定」の交渉が妥結し、同協定は12月に発効した。 |
|