第2章 地域別に見た外交


(4)NATO及びその他の地域機関

 NATOとの関係では、日本とNATOが国際的な平和と安定のための取組を強化する中、両者の関係強化が進みつつある。11月にラトビアで行われたNATO首脳会合では、日本を含む非NATO加盟国とのパートナーシップの強化について加盟国首脳間で一致が見られた。

 こうした中、5月、麻生外務大臣が日本の外務大臣として初めて北大西洋理事会で行った演説では、日本とNATOは価値観を共有しており、日本は憲法上の制約はあるものの、国際社会の平和と安定のためにNATOとの関係を強化していきたい旨を述べた。さらに、2007年1月には、安倍総理大臣が日本の総理大臣として初めて北大西洋理事会に出席して演説を行い、日・NATO関係は新たな段階に移行すべきとしてアフガニスタンをはじめとする平和と安定のための取組において協力関係を一層強めることを求め、各国常駐代表の支持と賛同を得た。



▲北大西洋理事会で演説する安倍総理大臣(2007年1月12日、ベルギー・ブリュッセル 写真提供:内閣広報室)

 欧州安全保障協力機構(OSCE)との関係では、1月、ド・ブリシャンボーOSCE事務総長が来日して、塩崎外務副大臣等と意見交換し、日・OSCE間で協力関係をより強化していくことで一致した。

 日本は、欧州評議会(CE)との関係では、アジアで唯一のオブザーバー国として、様々な分野の会合に積極的に参加している。2006年は日本がCEのオブザーバー国となって10周年に当たることを記念し、日本の文化遺産保護協力とこれを通じた異文化間対話への貢献をアピールするため、10月、欧州評議会本部(ストラスブール)において国連教育科学文化機関(UNESCO)の「文化遺産保存日本信託基金」により保存・修復された世界遺産の写真パネル展を開催した。

▼欧州の主要枠組み




<< 前の項目に戻る 次の項目に進む >>