第2章 地域別に見た外交 |
第4節 欧 州 1.総 論 日欧は基本的価値に基づき自由で繁栄する世界を指向する戦略的パートナーであり、日本の新しい外交政策である「自由と繁栄の弧」を実現していく上でも、国際場裡における日欧関係を更に強固なものとしていかなければならない。 この観点から、2007年1月には安倍総理大臣が英国、ドイツ、ベルギー及びフランスを訪問し、これらの国々及びEUの首脳と会談するとともに、日本の総理大臣として初めて北大西洋条約機構(NATO)を訪問した。また、同月には、麻生外務大臣がルーマニア、ブルガリア、ハンガリー及びスロバキアを訪問し、各国首脳・外相等と会談を行った。これら一連の訪問は、日本と欧州とが協力して国際的諸課題に対処すべきとの明確なメッセージを打ち出すことにつながった。 EUは、2004年に新規10か国が、また2007年にブルガリア、ルーマニアが加盟し、加盟国数27か国、人口約4億9,000万人、国内総生産約13兆6,000億ドルを擁するまでに拡大し、国際社会が直面する諸問題への取組における影響力を増大させている。こうしたEUとの協力・協調関係や、欧州各国との二国間関係を一層強化していくことが必要である。日本は、国連安全保障理事会常任理事国である英国やフランス、さらにG8のメンバーであるドイツやイタリアといった欧州主要国との関係の強化はもちろん、経済的重要性を増す中・東欧諸国や以前から国際社会における協力が進む西欧諸国と、政治・経済両面で緊密な関係を築き、人的・文化的交流を深めていく。 |
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