第2章 地域別に見た外交 |
(3)相互理解と人物交流の促進
(イ)新政権との関係構築 2006年の一連の大統領選挙により、中南米の多くの国で政権が交代した。中南米諸国は、日本との伝統的な友好関係を背景に、国連安保理改革、北朝鮮問題や、国際機関の選挙等で日本を積極的に支持している。日本としても国際社会における良きパートナーである中南米諸国との関係を重視しており、この機会に、ハイレベルを含む二国間の対話や域内主要国、米国等域外先進国との協力・連携により、細やかな支援を行っていく。これにより、中南米諸国の持続的な発展が可能となり、日本との間のパートナーシップがより強化されることを望んでいる。 (ロ)海外移住者との関係強化 2006年は、パラグアイにおける移住70周年に当たり、11月には秋篠宮殿下が同国を公式訪問された。また、ドミニカ共和国においても移住50周年を記念する式典が開催されると共に、11月には「ドミニカ移住者に対する特別一時金の支給に関する法律」の成立をみた(詳細は第4章第3節3.「海外移住者や日系人との協力」を参照)。 さらに、日本人のブラジル移住100周年に当たる2008年を「日伯交流年」と位置付け、二国間関係の更なる発展の契機とすることが期待されている。 (ハ)在日日系人を巡る諸問題 日本では、日系人を中心とした約36万人の中南米出身外国人が在住しており、新たな交流の一翼を担い始めている。その存在は、日本と中南米をつなぐ「懸け橋」として友好と相互理解の増進に重要な役割を果たしている。しかし中には、文化、習慣、言語等の相違により、地域社会との摩擦、日本での就労・教育を巡る問題、犯罪等の問題が顕在化した例もあり、外務省は、在日日系人の出身国政府との協議を通じてこれらの問題に取り組んでいる。また、国外に逃亡した外国人被疑者の問題については、日本政府として、不処罰は許さないとの立場から、国外犯処罰規定の適用を関係国政府に働きかけるなどの取組を行っている。 |
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