第2章 地域別に見た外交


4.日本の対中南米外交戦略

(1)日本にとっての中南米地域の重要性

 日本と中南米は地理的には離れているが、日本は銀の輸入量の52%、銅鉱石の50%、鉄鉱石の17%、モリブデン (注4) の68%、大豆の18%を中南米諸国に依存するなど、中南米は鉱物・食糧資源の供給地として重要な地位にあり、日本との貿易額は、年間約4.53兆円(輸出:約2.76兆円、輸入:1.77兆円(2005年通関統計))に上る。また、ブラジルを中心に海外在住の日系人の約6割に当たる約150万人が生活しているというつながりに加え、多くの中南米諸国が日本の国連安保理常任理事国入り、北朝鮮問題における日本の立場を支持するなど、国際社会のパートナーとしても揺るぎない信頼関係にある。




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