第2章 地域別に見た外交 |
(5)ASEM
アジア欧州会合(ASEM)は、アジアと欧州の関係を強化することを目的として1996年に開始された。政治、経済、文化・社会等の3つの柱を中心として、首脳会合や各種閣僚会合等を通じてアジアと欧州の対話と協力を深める活動を行っている。 9月にフィンランドで開催された第6回首脳会合(ASEM6)は、ASEMの10周年を記念する会合であり、アジア・欧州が共に直面するグローバルな課題に効果的に対処する方策を中心に議論が行われた。日本はフィンランドと共同で、過去10年間の国際情勢の変化を踏まえてASEMの実績や課題を評価し、今後のASEMの在り方を検討する「ASEMの10年」報告書を作成し、ASEM6での議論に貢献した。また、ASEM参加国・機関間の調整及び情報共有のためのASEMヴァーチャル事務局が、日本の貢献により立ち上がり、運用が開始された。 ASEM6では参加国・機関の拡大が承認され、アジア側からは日本、中国、韓国、ASEAN10か国に加えてインド、パキスタン、モンゴル及びASEAN事務局が、欧州側からは欧州連合(EU)25か国と欧州委員会に加えてブルガリア、ルーマニアのEU加盟後の参加が認められ、計43か国、2機関となることが決定された。これによりASEM参加国は、世界の人口の約6割、GDPの約5割、貿易額の6割以上を占めることになった。 そのほか、9月にドイツにおいて雇用労働大臣会合が、11月にベトナムにおいてICT(情報通信技術)担当閣僚会合がASEMの枠組みで初めて開催された。 |
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