第2章 地域別に見た外交


3.東南アジア

(1)ASEAN情勢全般

 ASEANは、2015年までのASEAN共同体形成を最大の目標として、様々な地域統合の努力を展開している。特に、ASEAN共同体形成に不可欠な域内開発格差の是正のため、東アジア内外の主要国との関係を全方位的に強化している。また、ASEAN共同体の基本文書となる「ASEAN憲章」を2007年に起草することとなっている。

 2006年は、将来の東アジア共同体も視野に入れつつ、ASEANを「ハブ」とする地域協力が一層進展した。7月27日には、クアラルンプールで開催された米国・ASEAN外相会議で、今後5年間の包括的な協力の枠組みに合意した。中国とは、10月30日に、中国・ASEANの対話関係構築15周年を記念する特別首脳会議を中国の南寧で開催した。EUは、東南アジア友好協力条約(TAC)への加盟意図を表明し、2007年1月のASEAN首脳会議の際に、フランスが他の欧州諸国に先んじて同条約に加盟した。

▼世界の各地域経済共同体等の域内及び対外貿易シェア及び総額(2005年)

▼ASEANの対各国・地域貿易額推移




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