第2章 地域別に見た外交


(ハ)活発な人的交流

(i)日中間の人的交流の現状

 2005年、日中間の人的往来は約417万人に達した(訪日者数約78万人、訪中者数約339万人)。また、中国における在留邦人数も10万人を突破した(2005年10月現在、約11万5,000人)ほか、日本に居住する中国籍の外国人登録者数も50万人(2005年末現在、約52万人)を超えた。このように、日中関係の基盤ともいえる人的交流は、引き続き拡大している。

 こうした人的交流の拡大に伴い、領事、治安分野における日中間の協力はますます重要性を増しており、6月には、第12回日中領事当局間協議を東京で開催し、出入国管理、治安問題、査証、自国民保護、司法・刑事分野における協力等の問題について意見交換を行った。

▼2006年の主な日中政府間対話

▼外務省による招聘事業

▼外務省による派遣事業

(ii)青少年交流の積極的推進

 日中両国の長期的な関係発展の基礎となる国民間の相互信頼関係を育むために、政府は様々な枠組みを活用して日中間の人的交流を支援している。特に、日中関係の将来を担う青少年交流を推し進めるため、2006年、日中高校生の相互訪問を柱とする「日中21世紀交流事業」を開始し、約1,200名の中国高校生代表団を招聘、学校訪問やホームステイ等の交流を通じて対日理解を促進したほか、中国側の招聘の形で、約200名の日本の高校生を中国に派遣している。これら高校生交流については、安倍総理大臣訪中の際の日中首脳会談等の機会を通じて、その長期的実施で合意しており、引き続き、未来の日中関係の発展の種を植えるとの観点から、こうした事業を促進していく考えである。



▲日中21世紀交流事業での日中の高校生交流の様子

(iii)対日理解促進のための努力

 以上を含め、官民で日中間の相互理解促進のための様々な取組が行われている一方、中国においては、依然として日本に対する理解に不十分な面がある。こうした状況を踏まえ、日本政府としては、日中国交正常化35周年に当たる2007年を「日中文化・スポーツ交流年」と位置付け、日本の戦後60年間の歩みも含めて、新しい日本のイメージを中国国民に伝えていくことを目的に、政府・民間・地方の連携の下に各種文化交流、記念事業を展開していくこととした。また、日中両首脳は、同交流年を通じて、日中間の交流を飛躍的に発展させ、交流人口500万人突破を目指して努力することで一致している。




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