第2章 地域別に見た外交


2.中国とその近隣地域及びモンゴル国

(1)中華人民共和国

【総  論】

〈安倍総理大臣の訪中〉

 10月8日、安倍総理大臣は温家宝国務院総理の招待により、就任後初の外国訪問として中国を訪問し、胡錦濤国家主席、呉邦国全国人民代表大会常務委員会委員長、温家宝国務院総理(以上、中国共産党の序列上位3名)と胸襟を開いた会談を行った (注33) 。この中で日中双方は、アジア及び世界の平和、安定及び発展に対して建設的な貢献を行っていくことが新たな時代における両国の責務であるとの認識の下、「政治」と「経済」という2つの車輪を力強く作動させることにより、日中関係を更に高度な次元に高め、地域及び国際社会の諸問題に共に取り組む、共通の戦略的利益に立脚した互恵関係(「戦略的互恵関係」)を築きあげていくことで一致した。総理大臣訪中においては、以上の点を明記した「日中共同プレス発表」が発出された。



▲中国での歓迎式典に臨む安倍総理大臣(10月8日、北京)

 また、両国首脳間の信頼関係構築のため頻繁に対話を行っていくことで一致し、また、安倍総理大臣から、胡錦濤国家主席及び温家宝総理の訪日を招請し、中国側は同意した。

 その後、2007年1月のASEAN関連首脳会議(フィリピン・セブ)での日中首脳会談において、温家宝総理が4月上中旬に訪日する意向を表明した。




<< 前の項目に戻る 次の項目に進む >>