第1章 概 観 |
(中南米地域) 中南米地域は、その大きな域内市場と地域統合の進展、諸外国との自由貿易協定締結の促進を背景に、近年、経済は安定した成長軌道に乗っている。一部の資源保有国は、資源エネルギー価格高騰の恩恵も受けている。2006年に各国で行われた大統領選挙では、いずれの候補も社会政策の充実を訴え、歴史的課題である貧富の格差の是正に取り組む機運が高まっている。 日・中南米関係では、2004年に小泉総理大臣が発表した「日・中南米 新パートナーシップ構想」に基づき、特に、経済関係の一層の再活性化が進んでいる。2005年に発効した日・メキシコ経済連携協定(EPA)により両国間の貿易投資関係は飛躍的に拡大した。チリとのEPA交渉も2006年9月に大筋合意に達した。また、日・中米ビジネスフォーラムの開催や、デジタルテレビ、バイオ燃料、クリーン開発メカニズム(CDM)協力等の新しい分野での取組も強化された。また、要人往来も活発であり、3月には皇太子殿下がメキシコを、11月には秋篠宮殿下がパラグアイを訪問された。中南米からもサカ・エルサルバドル大統領等が来日し、関係が強化された。 |
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