第1章 概 観 |
(欧州地域) 日本と欧州は、基本的価値を共有する戦略的パートナーである。EUは2007年1月1日にブルガリア及びルーマニアが加盟して27加盟国、人口約4億9,000万人、国内総生産約13兆6,000億ドルの巨大な経済圏となった。こうした中、日本と欧州は、2006年9月の小泉総理大臣訪欧、2007年1月の安倍総理大臣訪欧、麻生外務大臣の2006年5月、2007年1月の訪欧をはじめとする活発な要人往来などの機会を通じて、両者が世界の直面する諸課題に協力して対処していくことの重要性を確認してきている。また、NATOと日本は、国際的な平和と安定に向けた取組の方向性が合致している。NATOは11月のリガ首脳会合で日本を含むNATO域外国との連携強化の方針を打ち出し、日本は、安倍総理大臣と麻生外務大臣が北大西洋理事会で政策スピーチを行い、NATOとの関係強化を進めていく方針を表明した。今後NATO側と具体的な協力の態様について緊密に協議していく。 ロシアでは、同国が初の議長国となったG8サミットが成功裡に開催されたほか、原油高に支えられた好調な経済を背景に、プーチン大統領が安定した政権基盤を維持した。また、11月のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の際の日露首脳会談では、安倍総理大臣とプーチン大統領の間で、今後とも「日露行動計画」に基づき、幅広い分野において協力を一層進めていくことで一致した。 中央アジア・コーカサス諸国とは、2004年8月に立ち上げた「中央アジア+日本」対話の第2回外相会合が東京で開催され、小泉総理大臣による日本の総理大臣として史上初めての中央アジア訪問の実現、アリエフ・アゼルバイジャン大統領の訪日など、関係強化が進んだ。 |
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