第1章 概 観 |
(中東地域) イラクに対しては、最大約50億ドルのイラク復興のためのODAを着実に実施してきている。人道復興支援のためサマーワに派遣していた陸上自衛隊は7月にサマーワでの活動を終了した。航空自衛隊は引き続き支援活動を実施している。アフガニスタンについては「平和の定着」構想に基づき、政治プロセス、治安の改善及び復興分野において支援してきている。また、イランの核問題は、国際的な核不拡散体制を揺るがせ、中東全体の安定を損ないかねない。国際社会は、安保理決議第1737号において、これに対する一致した懸念を示した。日本は、この決議の履行に努めるとともに、イランに対して真摯に対応するよう働きかけている。湾岸諸国との間では、湾岸協力理事会(GCC)との間で自由貿易協定交渉を開始するなど経済関係の緊密化を進めている。また、中東和平問題への取組として、小泉総理大臣は7月にイスラエル、パレスチナ自治区及びヨルダンを訪問し、「平和と繁栄の回廊」構想を提案するなど、当事者間の対話を通じた和平の実現を働きかけている。 |
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