(4)規制改革
EUとの間では、双方向での貿易・投資の促進を目指して、1994年から日・EU規制改革対話を行っている。これは、経済関係の進展を図るため、日・EU双方が、相手側の規制改革やビジネス環境の改善について提案をした上で意見交換する枠組みである。日本側の対EU提案書を作成する過程では、在欧州日本企業等へのアンケート調査により、要望を聴取している。EUに対しては、2005年は、日本の会計基準と国際会計基準(IAS)の同等性評価 (注8) 、新たな化学物質管理に関する規則案(REACH) (注9) をはじめとする環境関連の規則の改善、在欧州日本企業から特に要望が多い滞在労働許可証に関する諸手続きの簡便化等をとりあげた。同対話はこれまで、EU加盟国の一部で滞在労働許可証の取得が容易になる、現地の運転免許証に切り替えた日本の免許証が返還されるなど、在留邦人の生活に密着した成果を上げてきている。
米国との間では、「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ」の下、日本が速やかな廃止を求めてきた1916年ダンピング防止法 (注10) の廃止や、米国の入国管理の厳格化に関連し、査証発給の効率化や採取した指紋情報のプライバシー保護強化等、在米日本企業の意見を踏まえた日本の要望が実現されてきている。2005年も6月に米国渡航の際の査証免除継続に必要とされるIC旅券導入の期限が1年間延長され、また、2006年2月、日本が速やかな廃止を求めてきたバード修正条項 (注11) の廃止法が米国で成立する (注12) など具体的な成果を上げている。 |