第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割


(3)知的財産権保護

 近年、模倣品・海賊版がアジア地域を中心に広く流通し、被害が拡大している。日本製品も例外ではなく、海外市場における潜在的な利益の喪失も含め、日本企業は深刻な悪影響を受けている。このため、日本は外交の場を通じて、知的財産権の保護強化及び模倣品・海賊版対策のための協力を各国に働きかけている。

 外務省は、内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部が6月に改訂した「知的財産推進計画2005」に沿って、模倣品・海賊版の対策に取り組んでいる。その中で、模倣品・海賊版拡散防止のための国際約束をつくることを提案し、主要国と話し合っている。在外公館においては知的財産担当官 (注2) 任命等を通じた問題への対応強化に取り組んでいる。また、日米 (注3) 、日・EU、日中間での知的財産権保護の強化・協力に関する対話、主要国首脳会議(G8サミット) (注4) 、アジア太平洋経済協力(APEC) (注5) 、経済協力開発機構(OECD) (注6) 等における複数国間での模倣品・海賊版対策へ向けた働きかけや、WTO・TRIPS協定に基づく中国に対する情報提供要請 (注7) を行ってきている。




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