第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割 |
3.海外移住者や日系人との協力 日本人の海外移住には、130年を超える歴史がある。移住者とその子孫である日系人は、ブラジルや米国をはじめとする南北米州大陸を中心に、約260万人(推定)に及ぶ。これらの海外移住者や日系人は、政治、経済、学術・文化等の様々な分野で活躍し、各国の経済・社会の発展に貢献しており、現地で高い評価を得るとともに、日本と各居住国との相互理解の増進、友好関係の進展に重要な役割を果たしている。 移住者の定着・安定がおおむね確保され、現地日系人社会における世代交代が進む中、外務省は、移住者の高齢化に伴う福祉問題や自助努力の及ばない人々への支援、日系人の人材育成、経済技術協力における日系人の活用等、現地日系人社会の要望にも配慮しながら、効果的な事業の実施に努めている。特に、移住者子弟の日系人を対象とした人材育成のための研修員受入れ、日本語教育のための日本語教師研修や現地の日本語学校への日系社会ボランティア派遣等を通じて、これら日系人が日本と各居住国との「懸け橋」となって一層活躍することが期待されている。 5月にブラジルのルーラ大統領が訪日した際に、小泉総理大臣とルーラ大統領は会談で、日本人のブラジル移住100周年に当たる2008年を「日本ブラジル交流年」として両国で祝うことを再確認した。8月には、ボリビアのサンファン移住地入植50周年記念祭典が、ロアイサ・ボリビア外相を迎え盛大に開催された。また、9月にブラジルのサンパウロ州サンロケ市で、福島外務大臣政務官も出席してコチア青年移住50周年式典が、10月にコロンビアのカリ市でコロンビア移住75周年記念式典がそれぞれ開催された。 |
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