第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割


(2)海外での日本人の安全対策強化への取組

 多様化する海外での危機を回避するためには、国民一人ひとりが「自分の身は自分で守る」との心構えを持って、危機を事前に予測し、その危機に対する安全対策を講じることが重要である。外務省は、現地情勢の分析をもとに、国民が海外で遭遇する可能性のある危機及びその対応策についてきめ細かな情報を提供するとともに、国民がいかなる危機に巻き込まれた際にも機動的に対応し得る援護体制の整備・強化に努めている。

 例えば、外務省海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp)、海外安全情報FAXサービス(FAX番号(番号音声ガイダンスに従い情報コードを入力):0570―023300)及び最新渡航情報メール、旅行業者等を通じて、渡航・滞在に当たっての注意や基本的な安全対策の目安、重要な事件・事故等の発生に関する渡航情報を発出している。また、総合的な安全対策パンフレットである「海外安全虎の巻」のほか、爆弾テロ対策、脅迫事件対策、誘拐対策等各種の想定される事案ごとに、国民のニーズ・関心に応じた各種パンフレットを作成・配布している。

 さらに、海外における大規模緊急事態の発生に備え、情報技術を駆使した災害情報緊急通報システム及び安否情報確認システムの拡充、機動的な展開に要する人員・資機材等の整備に着手したほか、メンタルケアへの対応、外部の専門家を含めた緊急展開チームの編成等、援護体制の強化にも努めている。




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