第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割 |
(4)青年海外協力隊・シニア海外ボランティア 日本は、国民参加による国際協力活動を促進するために、青年海外協力隊派遣事業や、シニア海外ボランティア派遣事業の推進に取り組んでいる。これらは、現地の人々と共に活動しながら、開発途上国の経済・社会の発展に自らの技術、知識を役立てたいとする国民を途上国に派遣する事業である。2005年には、10月に青年海外協力隊事業発足40周年を記念して、天皇皇后両陛下御臨席の下に式典が挙行されるなど節目の年を迎えた。 20歳から39歳を対象とした青年海外協力隊派遣事業は、1965年にフィリピン、マレーシア、カンボジア、ラオスのアジア4か国へ26名の隊員を派遣して以来、これまで80か国に2万7,910名を派遣し、40歳から69歳を対象としたシニア海外ボランティア派遣事業は、1990年の事業発足以来55か国に2,472名を派遣している(2005年12月末現在で、青年海外協力隊員を74か国に2,656名、シニア海外ボランティアを51か国に700名、それぞれ派遣中)。 その活動分野は幅広く、現在、青年海外協力隊については7分野135職種、シニア海外ボランティアについては9分野61職種にも及び(2005年12月末現在)、家畜飼育、コンピューター技術、看護師、理数科教師など、様々な職種の青年海外協力隊員が各国で活躍している。また、2003年からHIV/エイズ対策を新たな職種として設けるなど、途上国の要請に基づき、国際社会の課題にこたえるきめ細かな活動を行っている。 青年海外協力隊やシニア海外ボランティアは、途上国の発展に貢献するとともに、現地の人々と共に考え、共に実践することにより、「顔の見える援助」として、日本と途上国との相互理解や友好親善の促進に大きな役割を果たしている。また帰国後は、その生きた経験を、教育の現場やコミュニティ・レベルで共有するなど、様々な形で社会に還元しており、そのユニークな活動は受入れ国をはじめ国内外から高い評価を得ている。 |
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