第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割 |
第1節 国際社会で活躍する日本人・日本企業 (1)国際機関で活躍する日本人 国際社会では、政治・安全保障体制を脅かすテロや紛争に加え、急速なグローバル化の進展に伴って深刻化してきた環境破壊、人権侵害、貧困、感染症等、地球規模の諸問題への対応がますます重要になってきている。こうした中で、国際機関の果たすべき役割は更に重くなり、国際機関で働く国際公務員の任務と責任も重要なものになっている。 日本は、国連等の国際機関における日本人職員を増強すべく、優秀な人材の発掘や日本人職員の採用・昇進に向けて、国際機関に対する働きかけを行っている。具体的には、若手職員のためのAE(Associate Expert)/JPO(Junior Professional Officer)等派遣制度 (注1) の活用、国際機関による採用ミッションの受入れを通じ、日本人職員の増強に努めている。その結果、国際機関の日本人職員は642人(2005年)となり、過去10年で着実に増加している(図表「国連関係機関における日本人職員数の推移(専門職以上)」参照)。その中には、選挙で選出された国際機関の長のほかに、国際機関に就職して生え抜きで活躍している職員等がおり、若手から幹部職員に至るまでイラク周辺やアフガニスタン等の紛争地域を含む世界各国で、様々な分野において活躍している (注2) 。 このように国際機関で活躍する日本人を一人でも増やすために、引き続き、更なる人材発掘と国際機関への働きかけを行っていく方針である。
▼国連関係機関における日本人職員数の推移(専門職以上)
▼主要国際機関における日本人幹部職員 |
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