第3章 分野別に見た外交 |
5.人 権 【総 論】 人権尊重を基本目的の一つに掲げる国連の設立から60年が経過し、国際社会には様々な人権保護・促進メカニズムが存在している。しかし、人々の生命・自由にかかわる深刻な人権侵害は、依然として世界各地に存在し、人権問題は、日本を含む国際社会が真摯に取り組むべき課題であり続けている。 日本は、(1)人権は、文化や伝統、政治経済体制、発展段階のいかんにかかわらず尊重されるべきものであり、その擁護は各国の基本的な責務であること、(2)人権は普遍的な価値であり、かつ、国際社会の正当な関心事項であって、こうした関心を内政干渉ととらえるべきでないこと、(3)自由権、社会権等すべての権利は、不可分、相互依存的かつ相互補完的であり、いずれも擁護・促進する必要がある-という原則にのっとり、国連人権委員会等の国際フォーラム及び二国間対話を通じて、国際的な人権規範の発展・促進をはじめ、世界の人権状況の改善に貢献している。 また、9月の国連首脳会合の「成果文書」において、人権理事会の創設が合意され、人権が国連の主要な柱の一つとして再確認されたように国連では人権問題への対応の重要性が再確認されており、人権主流化の動きが強まっている。日本は国際的人権分野での取組を今後も強化していく考えであり、12月には齋賀富美子駐ノルウェー兼アイスランド大使を新たに人権担当大使に任命した。 |
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